人事・採用担当者は、企業の成長を支える重要な役割を担う仕事です。職種ごとに求められるスキルを理解し、適切な人材を選ぶ能力が求められます。また、さまざまな部署の社員から話を聞くこともあるため、コミュニケーション能力も欠かせません。
今回は、人事・採用担当者として活躍するために必要なスキルと、そのスキルを的確に評価するためのスキルチェックテストについて紹介します。人事・採用担当者として適した人材を見極めるためにも、スキルチェックテストをぜひご活用ください。
目次
人事・採用担当者に求められるスキル
ここでは、人事・採用担当者に求められるスキルを5つ紹介します。人事・採用担当者は、人事管理スキルの他にリスク管理スキルやコミュニケーションスキル、ITスキルなどさまざまな能力が必要です。
人事管理スキル
人事管理スキルは、人事・採用担当者にとって最も必要なスキルといえます。従業員の採用や評価、昇進、退職管理など人事にかかわる業務を効率的に行うために必要な基本的なスキルです。
人事管理スキルの中でも重要なのが情報収集力と情報管理力です。人事・採用担当者は従業員に関する情報を適切に収集し、管理する必要があります。
情報収集力を発揮することで、従業員がどのような要望を持っており、何に困っているかなど詳細な情報を把握し、人事評価や福利厚生、研修プログラムの改善などに役立てます。
社内の正確な情報を収集するためには、日頃から従業員と人間関係を築いていくことも大切です。
また、労務関係の法改正に関する最新情報や業界の動向、社会の変化など、社外の情報も常に取り入れる必要があります。最新の動向を把握することで、従業員にとって働きやすい労働環境を整備するための施策に役立てられるでしょう。
リスク管理スキル
リスク管理スキルは、企業の安全と持続的な成長を支えるために人事・採用担当者にとって欠かせないスキルです。
リスク管理とは、将来的に発生し得るリスクを事前に洗い出して対策することで、企業への損失を最小限に抑えることです。
企業には、情報セキュリティの脅威やコンプライアンス違反、自然災害、感染症の拡大など、さまざまなリスクがあります。
例えば情報セキュリティにおいては、データを保護するためのポリシーを策定することが大切です。
また、自然災害や感染症のリスクに備えて従業員の安全を確保するためのマニュアルや避難計画の策定も欠かせません。
コミュニケーションスキル
人事・採用担当者は、自部門だけでなく他部門と円滑に連携するためのコミュニケーションスキルが必要です。関係者とスムーズにコミュニケーションを取り、業務の効率を高めることで、組織全体の生産性向上に貢献できます。
人事・採用担当者は、従業員の採用や育成、労務管理など、多岐にわたる業務を担います。例えば新しい人材を採用する際、採用担当者は募集する職種に応じて各部署の要望を聞き取り、適切な人材を選ぶための調整が必要です。
また、人事担当者は全社的な施策や制度の導入に携わることもあり、その際にも各部門と信頼関係を構築するためにコミュニケーションスキルが欠かせません。
進捗管理スキル
進捗管理スキルも人事・採用担当者にとって欠かせないスキルです。進捗管理スキルは、プロジェクトの進捗状況を正確に把握して、スケジュール通りに業務を進めるために必要な能力です。
バックオフィス業務は、部門やチームを横断する業務も少なくありません。人事・採用担当者も同様に、日々さまざまなタスクが並行して進行しており、関係者のスケジュールにも影響を及ぼすことから、優先順位をつけて期日を遵守し効率よく業務をこなしていく必要があります。
ITスキル
現代のバックオフィス業務では、ITスキルの習得が欠かせません。人事・採用担当者もPCを使った業務が多くあります。ExcelやWord、PowerPointなどのOfficeソフトを使いこなせると、業務を効率的に進められるでしょう。
また、ITスキルがあるとシステムのトラブルシューティングやセキュリティ対策などの問題解決にもスムーズに対応できるようになります。
近年多くの企業でペーパーレス化やAIなどの最新技術の導入が進んでいます。デジタル技術を効果的に活用するためには、利用する担当者が操作方法を理解していることが重要です。
おすすめのスキルチェックテスト5選
ここでは、人事・採用担当者の選考におすすめのスキルチェックテストを5つ紹介します。採用活動において、書類選考や面接だけでなくスキルチェックも併せて実施すると、企業と求職者のミスマッチをより防げます。
従業員のITリテラシー向上に!情報セキュリティ基礎テスト
人事・採用担当者に必要な、情報セキュリティに関する知識を問うチェックテストです。
1.機密情報保管室などへの共連れを防止するための物理的な対策として適切なものはいずれか?
①機密情報を保管してある金庫の施錠を厳重にしたり、機密データの入ったパソコンにパスワードをかけたりする。
②社員以外、入室禁止とする。
③サークル型のセキュリティゲートを設ける。
④専用の入室証を首にかけて入室するルールとする。
2.Aさんは、BさんをTo、Cさんをcc、DさんをBccとしてメールを送った。この場合の正しい記述はいずれか?
①Cさんは、Bさんにも同じメールを送られたことを知ることができない。
②BさんとCさんは、Dさんにも同じメールが送られていることを知ることができない。
③Bさんは、Dさんにも同じメールを送られたことを知ることができる。
④Cさんは、Dさんにも同じメールを送られたことを知ることができる。
3.電子メールに添付されたファイルを開いたところ、パソコンが不審な動作を起こし始めた。まず、すべきことはいずれか?
※パソコンに機密情報などはないものとする。
①社内の情報システム部に報告する。
②後々の調査のために、スマホなどで不審な動きの様子を録画しておく。
③対応方法をインターネットで調べる。
④LANケーブルを抜く/無線LAN機能をOFFにする。
従業員のITリテラシー向上に!情報セキュリティ基礎テスト
会社や顧客の情報を守るためにも、情報セキュリティに関する知識は欠かせません。
総務・人事担当者の採用・研修に!社会保険手続きの理解度チェックテスト
企業の総務担当者や人事担当者として身につけておきたい社会保険の手続きに関する知識を問うチェックテストです。
1.健康保険の被扶養者にできない者を次の設問の中からすべて選びなさい。
ア 同居している年収150万円の配偶者
イ 同居していない年収100万円の義母
ウ 同居している年収60万円の80歳の実母
エ 毎月15万円の仕送りをしている年収60万円の同居していない大学生の子
オ 同居している年収108万円の妹
2.
従業員の出産に関する次の設問のうち誤っているものを1つ選びなさい。
ア 出産予定日より遅れて出産した場合であっても、出産予定日から出産日までの期間は出産手当金が給付される。
イ 健康保険に加入していないパート従業員が出産した場合、出産手当金は支給されない。
ウ 産前産後休業は、出産日前56日から出産後42日までである。(単胎の場合)
エ 出産手当金は、産前と産後を分けて申請することができる。
オ 出産日は産前の期間となる。
3.傷病手当金に関する次の設問のうち正しいものを1つ選びなさい。
ア 傷病手当金の支給額は、平均賃金の3分の2の金額である。
イ 傷病手当金は医師等の証明がなくても受給することができる。
ウ 傷病手当金は、退職したあとは一切受給することができない。
エ 傷病手当金と出産手当金は重複して受給することができない。
オ 傷病手当金の待期期間は、連続した3日間でなくてもよい。
総務・人事担当者の採用・研修に!社会保険手続きの理解度チェックテスト
従業員の各種手続きや採用を担う人事・採用担当者は、従業員が快適に働けるように基本的な手続きの方法を理解していることが大切です。
簿記や仕訳のサンプルテスト問題 経理担当の採用試験むけ
経理業務経験5年ほど、簿記2級レベルを想定したチェックテストです。
1.売掛金の増加を仕訳する際、どのような勘定科目が借方と貸方に記録されるでしょうか?
A. 借方: 売掛金、貸方: 売上
B. 借方: 売上、貸方: 売掛金
C. 借方: 仕入、貸方: 売掛金
D. 借方: 売掛金、貸方: 仕入
2.期末に棚卸しを行い、実際の在庫数と帳簿上の在庫数に差異がある場合、どの勘定科目に調整を行うでしょうか?
A. 仕入れ調整
B. 棚卸し益
C. 棚卸し損
D. 在庫評価損益
3.消費税を含む仕入れ金額から消費税を除くには、どのような計算を行うでしょうか?
A. 金額 × 消費税率
B. 金額 ÷ (1 + 消費税率)
C. 金額 × (1 – 消費税率)
D. 金額 ÷ (1 – 消費税率)
簿記や仕訳のサンプルテスト問題 経理担当の採用試験むけ
人事担当者は、経理担当者の採用活動を担う場合もあるため、簿記や仕訳などの基本的な知識を身につけているとプラスになるでしょう。
ビジネス文書・メール作成におけるマナーをチェックできるテスト問題
人事・採用担当者は、書類の作成やメールでのやり取りなどを頻繁に行うため、ビジネスにおける文書作成スキルやビジネスマナーを理解しているかチェックするテストもおすすめです。
1.Bさんにメールを送る際に以下のような設定で送付した。
TO Bさん
CC Cさん
BCC DさんとEさん
このときの説明として、適切なものはどれか選択肢の中から1つ選びなさい。
①Bさんは、メールがCさんとDさんとEさんに送られているのが分かる。
②Bさんは、メールがCさんに送られているか分からない。
しかし、DさんとEさんに送られているのは分かる。
③Bさんは、メールがCさんに送られているのが分かる。
しかし、DさんとEさんに送られているか分からない。
④Bさんは、メールがほかの人に送られているか分からない。
2.取引先に送る書類の署名について、適当なものを1つ選びなさい。
①すでにやりとりしたことがある相手なので、氏名だけを記して送付した。
②新しい部署へ異動したが、手間がかかるので異動前の部署のまま署名を変更せずに送付した。
③個人情報保護の観点から、電話番号・メールアドレスは署名に入れずに送付した。
④スマホやパソコンなど、どの媒体で見ても良いように、手間だが見た目を確認してから送付した。
3.メールを書く時に心がけるべきことについて、適当と思うものを1つ選びなさい。
①長文になっても良いので伝えたい内容を余すことなく伝えることを心がける。
②メールの件名は相手が気づきやすいよう名前だけ書く。
③複数の伝達事項があるときは箇条書きを使って読みやすくする。
④画面のサイズによって改行されるので、一切改行せずに書く。
ビジネス文書・メール作成におけるマナーをチェックできるテスト問題
人事・採用担当者として基本的なビジネスルールを押さえているか確認するとともに、社会人としてのマナーを持ち合わせているかもチェックできます。
事務職スタッフのレベルをはかるMicrosoft Excel(エクセル)集計能力チェックテスト
パソコン作業の多い人事・採用担当者の業務を効率よくこなせるか確認するために、Microsoft Excel(エクセル)における集計能力をテストすることもおすすめです。
1.セルの中の表示を「1000」から円を表す「¥1,000」に変更する為に必要な操作を選べ。
表示形式を「通貨」に変更する。
表示形式を「円」に変更する。
データ変更から「円」を選択する。
画像を確認の上回答してください。
2.ノートの合計金額を出すための適切な数式を選べ。
=C3*D3
C3*D3
=3×300
=3*¥300
画像を確認の上回答してください。
3.2の問題で適切な数式を選んだという前提での問題です。ノートの数量を4にした際の金額の表示を選べ。
1200
¥900
900
¥1,200
画像を確認の上回答してください。
事務職スタッフのレベルをはかるMicrosoft Excel(エクセル)集計能力チェックテスト
集計能力は、社内の労働環境を整備するために従業員に対して行ったアンケートを集計する際にも役立つでしょう。
まとめ
人事・採用担当者は、従業員の手続きに関する専門的な知識だけではなく、労働環境を整備するために従業員とコミュニケーションを積極的に取り、要望を把握することも大切です。
また、複数のタスクを同時並行でこなす必要もあるため、スケジュール管理能力も欠かせません。面接だけでは測りきれないスキルをチェックするためには、求める人材像に合わせたスキルチェックを行うことがおすすめです。
今回紹介した設問は、ラクテスにて作成可能です。ラクテスを利用すると、チェックしたいスキルに応じたオンラインテストを簡単に作成できます。300件以上のサンプル問題を活用すれば、問題作成の手間がかからないことも魅力です。採用活動をスムーズに進めるとともに、求める人材を採用するために、ぜひ一度ご相談ください。