少子高齢化により労働人口は年々減少しています。そのため、企業の採用競争が激しくなり、採用コストも上がっていくと予想されます。今回の記事では、採用コストの現状、一般的なコスト、採用コストの削減のポイント、具体的な施策までをご紹介します。採用コストの削減を目指したい方は、是非参考にしてください。
目次
採用コストの現状とは
企業が一人の従業員を採用する際にかかるコストは年々増加しています。その理由は、人材不足により採用が難化していることです。
現在日本では、少子高齢化の影響で新卒者の人数が年々減少しています。そんな中でも、企業のグローバル化に対応できる優秀な人材を確保する必要があります。
企業が採用にかけるコストとは
「採用コスト」とは、企業が採用にかける費用全体のことです。一方、従業員一人あたりの採用にかかった費用を「採用単価」といいます。採用単価は、求人媒体や求人広告の費用対効果を測るときの指標としてよく使用します。
採用コストには主に内部コストと外部コストが存在します。以下では、その2種類を解説します。
内部コスト
採用コストのうち内部コストとなるのは、人件費・交通費・会食費など、自社内で発生するコストです。例えば、採用に関わる社員の人件費や、応募者の面接会場までの交通費、懇親会費などがあります。
また、従業員の紹介による採用(リファラル採用)を行っている場合は、紹介を行った従業員への報酬も内部コストに含まれます。
外部コスト
外部コストは、求人サイトなどの他社サービス利用にかかるコストです。例えば、求人を掲載する際の広告費や人材紹介の成功報酬、内定者研修費や説明会にかかる会場代や、パンフレット制作費などの費用が含まれます。
一人当たりの採用コストの相場とは
それでは一般的な採用コストの相場はいくらなのでしょうか。以下では新卒、中途に分けて平均的なコストをご紹介します。
新卒一人当たりの採用コスト
2019年度の新卒者一人当たり採用コスト(採用単価)は平均93.6万円であり、2018年度の71.5万円から20万円以上増加しました。新卒採用を実施する上で、採用コストに課題を感じている企業は39.4%に上りました。
中途一人当たりの採用コスト
2019年度の中途採用にかかるコストは、一人あたり平均103.3万円でした。こちらも2018年度の83.0万円と比べ、20万円以上増加しています。労働人口減少の影響で、条件を満たす人材を見つけるのに費用がかかっており、新卒・中途採用ともに採用単価は今後ますます高くなると予想されます。
採用コスト削減に向けた3つのポイント
採用コストを削減するためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。以下では、採用コストを削減するポイントをご紹介します。
1. 現状の内部・外部コストを分類し把握する
まずは現状かかっているコストを内部・外部コストに分類しましょう。分類することで、どちらにムダが発生しているかを把握することができ、削減すべきポイントを顕在化できます。
2. 外部コストにかかる採用単価を精査する
外部コストにかかる採用単価を算出し、広告や人材紹介など企業ごとに比較しましょう。特に外部コストにおいてはムダが発生しやすくなっています。外部コストにかかる採用単価を精査することで、費用対効果が高いサービスなどを発見することができます。また、費用の削減と費用対効果の向上も期待できます。
3. 選考フローを見直す
選考フローを見直し、最適化することもコスト削減のポイントです。もし選考辞退者や入社承諾辞退者が多い場合、採用活動を行う期間が長くなり、コストも増えてしまいます。辞退の原因を分析して、対策を打ちましょう。また、面接回数が適切かどうかも見直しましょう。面接には人事社員の人件費だけでなく、会場のレンタル費用などもかかる場合もあります。面接回数を減らすには、エントリーシートの質問項目を増やす、録画面接やAI面接を取り入れるなどの方法があります。
採用コストを削減する具体的な方法7選
それでは、実際に採用コストを削減するにはどのような方法があるのでしょうか。以下では、その具体的な方法を7つご紹介します。
1. リファラル採用を取り入れる
リファラル採用とは、従業員の紹介で行う採用です。実際に自社で働いている従業員が「自社に合いそうだ」と判断した人であれば、採用後にミスマッチが発覚する可能性が低くなります。
リファラル採用を行った社員に対して報酬を支払う場合でも、求人広告を出すよりは費用を抑えられます。
2. ミスマッチを生まないようにする
求職者と企業のミスマッチによる離職や内定辞退は、採用コストのムダといえます。ミスマッチが発生しないように、求める人物像を明確にしましょう。また、選考の中で志望度を測る質問を多く行ったり、自社の社員と交流する機会を作ったり、適性検査を設けたりすることでミスマッチを減少できます。
3. 適切な求人広告媒体を運用する
求人広告が有効に活用できているかをしっかりと検証しましょう。やみくもに多くの求人媒体を使用すると、ムダに費用がかかってしまいます。自社の採用したい人材の要件を明確にした上で、広告各社の特徴をチェックし、自社の採用に最適な媒体を選びましょう。
4. 選考プロセスにインターンを取り入れる
新卒採用の選考プロセスにインターンを取り入れることで、選考プロセスの簡略化やミスマッチ防止につながります。インターン選考では、1日~1週間など一定の期間を定めて、実際の業務やそれに近い内容を応募者に体験してもらいます。応募者に仕事のイメージを明確にしてもらえるだけでなく、応募者がその仕事に適性があるかを企業側も判断できます。
5. 企業認知度を上げる
企業の認知度を向上することで、様々な採用コストを削減できます。企業の認知度を上げれば、自然と応募が多く集まるようになるため、採用媒体や人材紹介サービスの利用を減らせます。
また、企業の認知度が高まり、志望度が高い学生が集まることで、ミスマッチによる内定辞退数を減らせます。志望度の高い学生は、企業についてよく調べたうえで応募・入社します。結果として、ミスマッチによる採用コストを削減できます。。
6. 採用業務の効率化を目指す
採用担当者の業務量を最小限まで減らし、採用業務を効率化しましょう。
例えば、説明会をオンラインで開催したり、録画を配信したりすることで、説明会の回数を減らすことができ、内部コスト削減につながります。その他にも、オンラインツールで採用管理を行ったり、採用代行の外部サービスを利用したりする方法もあります。
7. 自社で採用マーケティングを行う
採用コストを最も多く削減する方法として、「自社で採用マーケティングを行う」という方法があります。求人媒体を使用せず、自社採用ページ等のオウンドメディア経由で情報発信し、応募者に「入社したい」と思ってもらえるようにします。掲載できる情報量や種類に制約のある求人媒体と異なり、オウンドメディアは発信の自由度が高いというメリットがあります。SNSやブログなどで情報発信すれば、一般消費者の認知度が低い企業でも、多くの応募者に自社のことを知ってもらえます。
採用コストを削減するときの注意点
最後に、採用コストを削減するときの注意点をお伝えします。
採用業務の一部を見るだけでは、全体のコスト削減は難しいです。コストを削減する際には、採用全体に与える影響を考慮しましょう。採用コストを効果的に削減するには、全体を俯瞰するマクロの視点が必要です。例えば採用代行サービス利用をやめ、自社だけで採用活動を行ったとしても、社内の人件費が増加し、全体の採用コストが増加してしまう可能性もあります。採用業務の一つ一つの効果は互いに影響し合うものであるため注意しましょう。
全体を俯瞰するマクロの視点が重要な一方、採用業務の効果を検証するミクロの視点もまた重要です。細分化された業務に関して、そこにそれぞれどれくらいコストをかける必要があるかを細かく検証しましょう。
マクロ視点とミクロ視点のどちらか一方に偏ってしまうと、効果的な施策を打つことができなくなってしまいます。様々な視点から、ムダがないかをチェックしましょう。
また、採用コストを削減するためには、そもそも「不要な採用を行わない」ということも大切です。採用目的を明確にし、採用に関わる部署と共有しておきましょう。
適性検査ができる「ラクテス」でミスマッチを防ごう
「ラクテス」は、企業の人事担当者が自社オリジナルの筆記試験を作成できるシステムです。システムに関する専門知識がなくても、クラウド上で簡単にオンラインでのテストを作成できます。自社の採用要件にあった応募者を見極められるため、採用時のミスマッチを防げます。「ラクテス」のオンラインテストで、採用の効率化を実現できます。
SPIや適性検査など、入社時に人材の総合的な能力や性質を測るテストは近年一般的になっています。しかし、企業ごとにカスタマイズしたテストを実施する企業はまだ少ないのが現状です。「ラクテス」で企業オリジナルのテストを実施すれば、一般的な筆記テストでは見極められない適性を可視化でき、必要な人材の採用に役立ちます。また、入社後の配置や人材育成にも活かせます。
「ラクテス」の職種適性チェックテストは、神奈川大学の大学院人間科学研究科委員長心理相談センター所長である杉山教授の研究成果を反映させたものとなっており、567人の職業人の実データを元に作成されています。
まずは、無料プランがございますので、以下のURLから新規登録をして、是非お試し下さい。
まとめ
本記事で挙げたポイントをしっかりと押さえることで、採用コストは削減することができます。今回の記事で紹介したポイントや注意点などに留意しながら、具体的な施策に移しましょう。このときに、しっかりと自社のニーズやリソースなどを明確にし、自社に最適な採用手法を選択しましょう。