コンサルタントには、コミュニケーションスキルや問題解決能力など、幅広いスキルが求められます。採用の段階で候補者のスキルを的確に把握することで、入社後に高いパフォーマンスを期待できる人材をより確実に採用できるでしょう。今回は、コンサルタント業界で特に重要とされるスキルと、採用活動に役立つおすすめのスキルチェックテストをご紹介します。
目次
コンサルタント業界で求められるスキル
ここではコンサルタント業界で求められるスキルを5つ紹介します。採用プロセスを通じて候補者のスキルを見極めることで、入社後に活躍する可能性の高い人材を獲得できるでしょう。
関係構築のためのコミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは、報告書の作成やプレゼンテーションなど、さまざまな場面で必要とされる重要なスキルです。特にコンサルタントにおいては、問題解決に必要な情報を効率的に収集し、提案を受け入れてもらうためにも、クライアントとの信頼関係を迅速に構築することが不可欠です。また、チームで業務を遂行する際には、メンバーとの円滑な協力関係が求められるため、良好な関係を築くためのコミュニケーションスキルはコンサルタントにとって欠かせない要素といえるでしょう。
分析力（論理的思考力）
分析力とは、クライアントが抱える課題の根本原因を特定し、的確な解決策を提示するためのスキルです。クライアントが抱える問題は様々で、コンサルタントにはそれぞれの状況に応じた解決策を導くことが求められます。分析に先立ち、市場のトレンドや購買データなど多様な情報を整理し、筋道を立てて結論を導き出す論理的思考力も不可欠です。
問題解決能力
コンサルタントには、クライアントの課題に対して実行可能で効果的な解決策を提案するための高い問題解決能力が求められます。対応する課題の多くは複雑で、一筋縄ではいかないケースがほとんどです。そのため、難題に直面しても、的確な解決策を導き出すスキルが必要とされます。また、迅速に解決策を提供できることでクライアントの信頼と満足度を高めることにもつながります。
プロジェクトマネジメントスキル
プロジェクトを計画・実行・監視し、期限内に成果物を提供するための能力が、プロジェクトマネジメントスキルです。コンサルタントが取り組む課題が複雑であればあるほど、このスキルの重要性は増します。プロジェクトを成功させるには、必要なタスクを体系的に整理し、リソースに見合った無理のないスケジュールを立案することが求められます。また、進捗状況や予期せぬ事態に応じて計画を柔軟に調整する能力も、プロジェクトマネジメントスキルによって支えられています。
交渉力（質問力・傾聴力）
交渉力や質問力・傾聴力は、コンサルタントがクライアントの課題を正確に把握するために必要です。また、クライアントに解決策についての理解を深めてもらうためにも重要なスキルです。特にプロジェクトの初期段階では、丁寧なヒアリングや適切な質問を投げかけることで、クライアントのニーズや課題を明確にすることができます。自分の考えを押し通すのではなく、クライアントの意見に耳を傾けながら解決策を共に構築することで、より強固な信頼関係を築くことができるでしょう。
おすすめのスキルチェックテスト5選
コンサルタントとしての適性やスキルを把握するには、スキルチェックテストの実施が効果的です。ここではコンサルタントの採用におすすめのスキルチェックテストを5つ紹介します。
コンタント向け基礎知識確認テスト
コンサルタント業界で働きたい方を対象に、基礎知識を確認する選択式のテストです。コンサルティングにおいて必要となる経営学やマーケティングの用語や概念に対する理解度を測定します。
1.
ビジネスコンサルティングにおいて、SWOT分析は何を評価するために使用されますか？
・会社の強み、弱み、機会、脅威
・会社の財務状況
・従業員の満足度
・市場のトレンド
2.
コンサルティング業界において、’Benchmarking’とは何を指しますか？
・競合他社との比較
・内部監査の実施
・リスク管理プロセス
3.
プロジェクトマネジメントの5つのプロセスグループは何ですか？
・開始、計画、実行、監視・制御、終了
・分析、設計、開発、導入、評価
・要件定義、設計、実装、テスト、保守
・戦略、計画、実行、評価、改善
コンタント向け基礎知識確認テスト
特にコンサルタント業界未経験者の採用などで活用するとよいでしょう。
論理的思考力と数的処理能力を測るテスト
論理問題ならびに数的処理問題 について、適切な答えを選択肢から選ぶ形式のテストです。限られた情報から正確な答えを導き出す力を測れます。
A、B、C、D、Eの5つの会社の従業員数を比較したところ、次のことがわかった。 1. 同じ従業員数の会社はない 2. Aの従業員数はBより多い 3. Cの従業員数は2番目に多い 4. Dの従業員数はAとBの従業員数の平均に等しい
1.
次の推論X、Y、Zについて、必ずしも誤りとはいえないものはどれか。
X：AはCより従業員数が少ない
Y：BはDより従業員数が多い
Z：DはEより従業員数が少ない
・Xだけ
・Yだけ
・Zだけ
・XとY
・XとZ
・YとZ
・XとYとZ
・いずれでもない
2.
1～4の条件のほかに、少なくともどの条件を加えれば、AからEの5つの会社の従業員数の順位が決まるか。
X： Aは一番従業員数が多い
Y： BはCより従業員数が少ない
Z： EはAより従業員数が多い
・Xだけ
・Yだけ
・Zだけ
・XとY
・XとZ
・YとZ
・XとYとZ
・X、Y、Zのすべてが加わっても決まらない
論理的思考力と数的処理能力を測るテスト
コンサルタントに必要とされる論理的思考力や問題解決能力の高さを判断するのに適しています。
プロジェクトマネジメントのスキルチェックテスト
プロジェクトマネジメントに関する用語や考え方に対する理解度を測るテストです。効率的にプロジェクトを遂行するために必要なプロジェクトマネジメントスキルを確認できます。
1.
プロジェクトマネジメントの5つのプロセスグループに含まれないものはどれですか？
A. 立上げ
B. 計画
C. 実行
D. 評価
2.
プロジェクトのリスク、コスト、スケジュールなどを評価し、プロジェクトの目的を達成するために必要に応じて予防および是正措置をとることを何といいますか。
A. プロジェクト監視
B. 品質管理
C. プロジェクトコントロール
D. スコープ管理
3.
プロジェクトステークホルダーとは何ですか？
A. プロジェクトのリーダー
B. プロジェクトの顧客
C. プロジェクトの実施によって影響を受ける個人、グループ、または組織
D. プロジェクトの資金提供者
プロジェクトマネジメントのスキルチェックテスト
主に基礎知識を問う設問で構成されているため、実務経験のある方には難しくないでしょう。
読解力/文章理解力テスト
コミュニケーションの基本となる読解力や文章理解力をチェックするテストです。メールやチャットでコミュニケーションを取る機会の多い現代では、特に重要なスキルといえます。
次の文章を読んで、設問に答えなさい。 「読解力とは、その文章で言いたいことは要するに何なのかを読み取る力です。読解力が高い人は、文章の主旨や構成、論理展開などを素早く把握できます。読解力が低い人は、文章の内容を正しく理解できず、要点を見失ったり、細かい部分にこだわりすぎたりします。読解力は、国語の成績やテストに大きく影響します。読解力を高めるためには、文章の要約練習がおすすめです。要約練習とは、文章の中心的な内容を短くまとめることです。要約練習をすることで、文章の構造や論理を明確にするとともに、自分の言葉で表現する力も身につきます。」
1.
この文章の主題は何か。
・読解力とは何か
・読解力を高める方法
・要約練習の効果
・文章の構造と論理
2.
この文章の構成はどのようになっているか。
・読解力の定義→読解力の高低の違い→読解力の重要性→要約練習の紹介
・読解力の重要性→読解力の高低の違い→読解力の定義→要約練習の紹介
・要約練習の紹介→読解力の定義→読解力の高低の違い→読解力の重要性
・要約練習の紹介→読解力の重要性→読解力の高低の違い→読解力の定義
3.
この文章で言いたいことは要するに何なのか。
・読解力は文章の内容を正しく読み取る力であり、要約の練習をすることで高めることができる。
・読解力は文章の構造や論理を素早く把握する力であり、要約の練習をすることで明確にすることができる。
・読解力は文章の中心的な内容を短くまとめる力であり、要約の練習をすることで自分の言葉で表現することができる。
・読解力は文章の主題や構成、論理展開などを理解する力であり、要約の練習をすることで国語の成績やテストに好影響を及ぼせる。
読解力/文章理解力テスト
コンサルタントとして、クライアントやプロジェクトのメンバーと適切にコミュニケーションを取れることは重要なポイントです。
幅広い職種の責任者採用に役立つ「リーダーシップと組織マネジメント」テスト
マネージャーや責任者を対象に、組織マネジメントやリーダーシップ、部下とのコミュニケーションの取り方などについて問う問題で構成されているテストです。コンサルタントとして必要なコミュニケーションスキルや、交渉力などのチェックに活用しましょう。
1.
「リーダーシップ」と「マネジメント」で内容が異なります。以下の中で正しい一つ選びなさい。
・リーダーシップとは「管理する能力」を指す
・リーダーシップとは「組織の複雑さに対処する能力」である。
・リーダーシップとは「人と組織を動かす能力」である。
・マネジメントは「組織的に変革を推し進める」ことである。
2.
組織マネジメントにおける「３大経営資源」はヒト、カネとあともう一つは何か選びなさい。
・時間
・情報
・ゴール
・モノ
3.
リーダーシップとは「集団に目標達成を促すよう影響を与える能力」です。そのため、まずは集団がコミットできるような目標を設定する力が求められる。そのため、リーダーは「 」の設定が重要である。空白に入る言葉を選びなさい。
・マネージャー＝管理者
・ビジョン＝目的
・マネー＝金額
・チーム＝体制
幅広い職種の責任者採用に役立つ「リーダーシップと組織マネジメント」テスト
コンサルタントを含む幅広い職種において、メンバーをまとめ上げる立場にある人材が身につけておきたいスキルを確認できます。採用時に加えて、昇格試験などにも役立つでしょう。
まとめ
コンサルタント業界で活躍するためには、分析力（論理的思考力）、問題解決能力、さらにはプロジェクトマネジメントスキルなど、幅広いスキルが必要です。しかし、書類選考や面接だけで候補者のスキルを把握するのは容易ではありません。
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タグ: ＃人材採用, 適性検査