従業員の資格管理を一元化!管理方法やおすすめのツール一覧

従業員が有している資格を管理することは、企業活動において重要な取り組みです。本記事では、従業員の資格管理を行う目的から、基本的な管理方法を解説します。また、業務の効率化といったメリットに期待できる資格管理システムについても紹介します。

従業員の資格管理とは?

資格管理とは、従業員が保有している資格を企業側で管理することです。資格には下記のようなものがあります。


【国家資格】
国の法律に基づいて認定される資格。自動車運転免許、社会保険労務士、宅地建物取引士など。

【公的資格】
国ではないものの、省庁や自治体・公的法人などから公的に認められている資格。日商簿記検定、実用英語技能検定(英検)や日本漢字能力検定(漢検)、ビジネス・キャリア検定など。

【民間資格】
民間団体や企業などが、独自に認定している資格。TOEIC、ビジネス実務マナー検定、メンタルケアカウンセラーなど。


このほかにも技能検定や社内資格など、管理する資格の幅は企業によってさまざまです。

従業員の資格管理は何のためにやる?

資格管理は、法令遵守や企業価値の向上などさまざまな理由で必要になります。

資格の失効を防ぐ

従業員の資格管理を行うことで、資格の有効期限を可視化でき、失効を防げます。


資格には有効期限が設定されているものがあり、定められた期間に更新が必要です。更新にともなって講習や試験を受けることが義務付けられている場合は、更新までに時間がかかることもあります。


業種によっては、事業所や部署ごとに特定の有資格者が一定人数必要など、事業を行うにあたって条件が設けられています。そのような業種では、更新期限を過ぎたことで従業員の資格が失効すると、法令違反となって営業停止などの重い処分を下されることが懸念されます。こうしたリスクを防ぐためにも、資格管理は従業員だけに任せるのではなく、企業として組織的に取り組む必要があります。

給与計算や人事評価で活用する

従業員に資格手当を支給している場合、適正な給与計算のためにも資格管理は重要です。資格管理がしっかりと行えていないと、「資格を持っているのに手当が支給されない」「資格が失効しているのに手当を支払ってしまう」といった事態につながります。


また適正な人事評価を行うためにも、資格管理は非常に大切です。
人事評価において資格の取得を評価基準として設定することもできます。納得できる人事評価は従業員の信頼度やエンゲージメントを高め、離職率低下や定着率向上にもつながります。

スキルや人材育成状況を可視化する

資格管理の重要性が高まっている背景には、社会的な価値観の変化も関係しています。


健康経営(※1)やタレントマネジメント(※2)が広まっているように、近年は人の価値を高めることで企業価値も高めていく「人的資本」の考えが浸透してきています。アメリカの証券取引委員会(SEC)や東京証券取引所が上場企業などに、人材育成計画などを含む人的資本の情報開示が義務化したことも、大きな話題となりました。また、価値観の多様化が進む採用市場においても、働きやすさやキャリアアップできる環境などが、求職者が就職先を選ぶ基準の1つになっています。


これからの企業活動では、スキルや人材育成状況の可視化がより重要性を増してくるでしょう。資格管理は、この取り組みに大きく貢献します。


※1:従業員が心身ともに健康でいられるよう、企業として戦略的に健康管理に取り組む経営のこと。
※2:従業員が持つ資格・スキル・経験を管理し、効率的な人材活用や人材育成に活用するマネジメント手法。関連記事はこちら。
■日本型タレントマネジメントとは|その意味と導入方法について解説

資格管理を全社的に行うメリット

資格管理は、有資格者を必要とする部署がそれぞれで行っている場合も少なくありません。しかし、資格管理は部署ごとに行うよりも、全社的に行う方がおすすめです。

データの統合

部署ごとに資格管理を行っている場合、管理ファイルのフォーマットや運用方法がばらばらである可能性があります。その場合、全社的に資格情報を活用しようとすると、人事や役員は部署ごとに分かれた大量のファイルを見なくてはいけません。1つのファイルに情報を統合する際に転記ミスが起こったり、そもそも人事や役員が欲しい情報がないことも考えられ、効率的なデータ活用は難しいでしょう。


人事部や経営層が主体となって全社的に資格管理に取り組めば、管理ファイルのフォーマットやデータを統一でき、検索や絞り込みも簡単になるため、データの活用が効率的になります。従業員としても、部署を異動する度に新たな管理方法を覚える必要がなくなり、引継ぎコストの削減も実現可能です。

効率的な人材活用

資格管理は、人材活用でも大きな効果を発揮します。業務に必要な資格を持っている従業員を把握できることで、適材適所への人材配置が可能になります。人材育成においても、保有資格に応じた研修計画を組んだり、従業員のレベルに合ったマネジメントを行ったりすることもできます。従業員がスキルアップを目的に資格を取得した後、その資格を活かした部署に配属させることも容易になり、育成と配置のいいサイクルを回せます。


取得した資格を業務に活かせない状況では、従業員のモチベーションも下がり、企業としても従業員が活躍できる機会を損失することになります。資格情報は、人材活用に積極的に利用しましょう。

従業員の資格管理で取得する情報

従業員の資格を管理する際には、下記の情報を押さえましょう。

基本項目

証明書や免許証に記載されている情報です。

  • 従業員氏名
  • 所属している部署
  • 保有する資格名
  • 資格番号、免許番号
  • 資格を取得した年月日
  • 資格更新の年月日
  • 資格の更新期限
  • 資格の概要
  • 証明書や許認可申請書類のスキャンなど、資格に関する画像データ

取得済み・取得予定の資格

業務に必要な資格、自社に所属している間に取得した資格以外にも、前職やプライベートで取得した資格や現在取得を目指している資格も記録しておきましょう。人材配置の際に役立つことはもちろん、従業員が持っている資格から新たなアイデアやビジネスが創出されることも少なくありません。


資格とまではいかなくとも、従業員の特技や趣味を記録しておくと、コミュニケーションの活性化やマネジメントの適正化につながる可能性もあります。

従業員資格管理の一般的な方法

従業員の資格管理には、一般的にソートやフィルターがかけられるツールを使用する場合が多いです。

エクセル

資料作成などで多くの従業員がエクセルを活用していることから、資格管理でもエクセルを用いる企業が多いです。使い慣れているツールなので、基本的な操作に関する学習コストが不要で導入しやすいことがメリットです。


エクセルを使用して資格管理をする場合には、全社的にフォーマットを統一することがおすすめです。資格名は省略しない、資格番号は半角英数字で記入するなど、入力方法も統一しておくとよいでしょう。入力方法の統一には、データの入力規制機能が活用できます。

資格管理システム

エクセルのほかにも、外部のシステムを利用して資格を管理する方法があります。管理システムには、大きく2つのタイプが存在します。


1つが、資格やスキルの管理に特化したシステムです。勤怠管理や人事評価などの他システムを既に利用しており、資格管理機能のみ追加で欲しい場合におすすめです。


もう1つが、人事管理システムに付随している資格管理機能です。人事管理システムは、人事に関する業務を全体的に効率化することを目的としたシステムのため、資格管理以外にも多くの機能がついています。すでに導入済みの人事システムに資格管理の機能があるならば、そちらを利用するもの1つの手です。


さらに、資格管理システムは動作する環境の違いから、クラウド型とオンプレミス型に分けられます。

クラウド型

クラウド型は、すべてがオンライン上で動くシステムです。メンテナンスといったシステム管理は、サービスを提供する事業者が担います。


管理するデータはクラウドに保存されており、場所やデバイスを問わずにシステムへアクセスできることがメリットです。初期費用は比較的安価で、無料で導入できるサービスも多く存在します。毎月の費用は、利用プランやライセンス数に比例して増減します。


アカウントの発行が終わればすぐに利用できるため、まずはシステムを使ってみたい場合におすすめです。

オンプレミス型

オンプレミス型は、サーバーやソフトウェアを自社で用意し、社内のインフラで動くシステムです。システム管理は、自社で担当者を立てて担う形になります。


社内でシステムを構築するため、カスタマイズ性が非常に高く、先に導入済みのシステムと連携させるのも比較的容易です。セキュリティも、自社のプライバシーポリシーに合わせて高めることが可能になります。初期費用が高めで導入に時間はかかるものの、導入後はシステム利用には費用が発生せず、人件費や電気代などの固定費が発生します。


自社独自の業務システムと連携したい場合や、クラウド型よりもオンプレミス型の費用が安い場合には、オンプレミス型がおすすめです。

資格管理システムを導入するメリット

資格管理システムを活用することで、エクセル管理よりも効率的な資格管理を実現できます。

管理の効率化

資格管理では、書類のコピーや画像データなど、さまざまな情報を扱います。保持するデータが少ない分にはエクセル管理でも対応できますが、取り扱うデータが多くなるとエクセルの処理が重くなったり、データの検索や照合が煩雑になったりと、管理者への負担が大きくなります。このような負担は、資格管理に強いシステムに補助してもらうことで、大きく改善される可能性があります。

リアルタイムで情報が更新される

エクセル管理では、情報を更新する度に関係者へ共有が必要になるなど、データ管理以外にも運用に手間がかかります。一方システム管理では、更新した情報がリアルタイムでシステムに反映されるので、システムにアクセスした際に閲覧できるデータは常に最新のものになります。


またクラウド型のシステムでは、法改正などといった重要項目はシステム側で自動的にアップデートされることが多く、対応が必要な場合は管理画面やメールなどで通知してくれることもあります。資格の有効期限が近づいた際にアラートを飛ばす機能などもあり、企業としてのリスク管理に大きく役立ちます。

ナレッジの共有ができる

業種にかかわらず、労働者数が50名を超える事業所には衛生委員会の設置が必要です。それに加えて、安全委員会の設置が義務付けられている業種もあります。この委員会の中には、衛生管理者や安全管理者といった資格を保有している従業員を含めなければいけません。委員会を設置する時になって慌てないように、業務に資格が不要な企業でも、あらかじめ資格管理をしておくことが大切です。


システムを用いて管理しておけば、有資格者が必要になった際に、条件を満たす従業員をすぐに見つけられます。アカウントを追加するだけで、これまで閲覧権限がなかった従業員にも情報共有が可能です。誰もが同じ情報を確認できるので、担当者選出の議論も進めやすいでしょう。


業務で困った時に、資格情報をもとに知見を持つ従業員を探して相談できるなど、ナレッジ共有はさまざまな場面で役に立ちます。

主な資格管理システム

Skillnote

スキルの一元化や見える化を通して、効率的な人材育成と人材配置を実現するスキルマネジメントシステムです。製造業をはじめとしたものづくりに携わる企業で多く導入されており、技術力と品質の向上を支援します。

■計画的な育成と配置を実現|社員のスキル・教育・資格を見える化する、スキルマネジメントシステムSkillnote(スキルノート)

HRBrain

タレントマネジメントをはじめとした6つのサービスを通して、人事業務にかかるさまざまな課題を解決に導く人事管理システムです。操作性とサポート体制に注力しており、どんな立場の従業員でも使いやすいことを強みにしています。

■HRBrain | 顧客満足度No.1のタレントマネジメントシステム

スマカン

資格・スキルなどの人材情報を一元管理し、採用・育成・配置・評価まで、戦略的な人事に役立てられるタレントマネジメントシステムです。ベーシック、パック、オプションなど、自社の目的や課題に合わせて柔軟なプランを選択できます。

■スマカン|人事担当者が選ぶ、満足度No.1のタレントマネジメントシステム

jinjer

資格管理を含む人事業務のほか、勤怠管理や経費精算など、バックオフィス全体のDXを実現できるクラウドシステムです。従業員情報は1つのデータベースに集約され、必要な情報が各サービスに連携される仕組みなので、複数のサービスを利用している場合も情報の更新は1度で済みます。

■ジンジャー(jinjer)| クラウド型バックオフィスシステム

カオナビ

人材データベースを活用し、戦略人事を支援するタレントマネジメントシステムです。データベースの内容はカスタム自由で、自社独自の項目なども設定できます。社員の顔写真が表示されるため、各部署の雰囲気といった、文字では分かりづらい情報も直感的につかむことができます。

■カオナビ|【シェアNo.1】社員の個性・才能を発掘し、戦略人事を加速させるタレントマネジメントシステム

資格管理システムの選定ポイント

資格管理システムを選ぶ際には、自社で広く活用でき、誰でも簡単に使えるかがポイントになります。

操作性

資格の管理には、各部署の責任者、人事担当や役員など、さまざまな人が関わります。そのため、誰もが使いやすいと思えるシステムを選ぶようにしましょう。登録や更新のしやすさはもちろんのこと、閲覧や検索のしやすさ、ライセンス追加のしやすさなども重要です。


操作性については、無料トライアルを利用するのがおすすめです。実際に使ってみて、使用前と作業時間が変わらないようであれば、別のシステムを検討した方がよいでしょう。

外部システムとの連携

経費精算システムや給与計算システムなど、資格情報が関連してくるシステムをすでに導入している企業も多いでしょう。すでに導入している外部システムと連携できると、資格情報をより効率的に活用できます。連携方法が煩雑ではないかも併せて確認が必要です。既存システムに資格管理の機能がオプションでつけられる場合は、外部連携とオプション追加のどちらが自社に適しているかも検討しましょう。

まとめ

従業員の資格管理は、資格の失効防止や効果的な人材活用のために、全社的に取り組むことが大切です。管理方法にはエクセルなどがありますが、より大きなメリットを得るなら資格管理システムの活用がおすすめです。今回紹介した管理システムの特徴を参考に、自社に合ったシステムの導入を検討してはいかがでしょうか。


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