紙のテストをデジタル化するメリットと切り替え方法

多くの企業では、採用試験、昇進・昇格試験、研修・教育の評価試験、ストレスチェックテストなどを紙ベースで実施しています。これらのテストは、管理が煩雑で効率が悪く、集計時のデータの取り違えや転記ミスなどが発生しやすいです。本記事では、紙ベースのテストに伴う問題点を深掘りし、デジタル化のメリットや実施方法、さらにはデジタル化の際の課題や問題点について詳しく解説します。

紙ベースの採用試験の問題点

業務効率の低下

紙ベースの採用試験では、問題作成、印刷、配布、回収、集計、採点といった一連の作業が発生します。これにより、担当者の業務負担が大きくなります。特に、紙に記載された回答内容をExcelなどに転記する、もしくは紙上で採点をして結果を集計するところに大きな時間がかかります。

ミスが発生しやすい

紙ベースの試験では、データの転記ミスや採点ミスなどが発生しやすいです。デジタル化されていて、自動で採点させるような仕組みになっていれば、採点間違えは発生しません。

保管と管理の問題

紙の試験結果や回答用紙を保管するためには、大量のスペースが必要です。また、過去の試験結果を検索する際も手間がかかり、効率的な管理が難しいです。

コストが大きくなる

紙でテストを実施すると、大量の紙を使用することになり印刷代がかかります。また、印刷した問題や回答を用紙を各拠点に届けたり回収したりするための郵送費、受験するための部屋の用意、集計や採点の人件費など、様々なコストが発生します。

環境へ悪影響を及ぼす

環境への影響は無視できません。紙の消費量を減らすことは、企業の環境保護活動の一環としても重要です。

紙の試験をデジタル化するメリット

業務効率の向上

デジタル化により、問題作成から配布、回収、採点までの一連のプロセスを効率化できます。これにより、担当者の業務負担が軽減され、他のより重要な業務に時間を使えるようになります。

採用試験や、昇進・昇格試験の事務局運営、管理に毎年使っている時間数を計測し、そこからどれくらい削減できたかをチェックすることが、デジタル化の費用対効果を見るうえで重要です。

ミスのない公平な評価

試験をデジタル化すれば、少なくとも選択式の問題については採点ミスがなくなります。小論文などの記述式の問題でも、すべてクラウド上に回答内容と採点結果の履歴が残るため、不自然な点数になっていないかをいつでも確認できるようになります。これによって公平な評価が実現します。

データの管理と分析が容易

デジタル化により、試験結果や回答データは自動的に保存され、必要に応じて簡単に検索・分析ができるようになります。これにより、過去のデータを探す手間が大きく削減されます。

社内資格の合否の管理や、研修後の理解度チェックテストの点数の管理などが簡単に管理できます。

また、テスト内の問題ごとの点数を把握して特に正答率の低い問題や高い問題などの難易度調整をしたり、部署や支店など所属先ごとの平均点の違いを分析したりといった業務もデジタル化しておくことで楽になります。

環境への配慮

紙の使用を削減することで、環境への負担を軽減できます。企業の環境保護活動にも寄与します。

紙の試験をデジタルに移行するときの課題や問題点

初期投資とコスト

デジタル化には初期投資が必要です。試験システムの導入やハードウェアの準備、担当者のトレーニングなど、初期費用が発生します。また、ランニングコストも考慮する必要があります。

特に不正防止などのために、普段受験者が使っているPCやスマホではなく、受験用の端末を別途用意する場合は、ハードウェアの調達コストがかかります。すごく厳密に実施したい場合を除いて、基本的に受験者自らに用意してもらった端末で受験してもらうことを推奨します。

セキュリティの確保

デジタル化により、データのセキュリティ対策が重要となります。不正アクセスやデータ漏洩を防ぐためのセキュリティ対策を講じる必要があります。

特に受験結果のデータにアクセスできる人を制限することが大切です。テスト関係者だけが見られるようにする、受験者の上長だけが見られるようにする、経営陣だけが見られるようにするなど、テストの内容にあわせて権限を切り分けましょう。

ユーザーの適応

デジタル試験に慣れていない受験者やテスト事務局担当者にとって、システムの利用に慣れるまで時間がかかることがあります。受験方法についての適切なトレーニングとサポートが必要です。

受験者に受験方法をアナウンスする、受験されなかった際に催促する、正常に終了していない場合に再受験を促すなど、事務局運営側担当者がどのように業務を進めていくかのマニュアルも用意しておくと便利です。

デジタル化の具体的な実施方法

ラクテスの利用

デジタル試験プラットフォームの導入には、ラクテスのような専用のSaaSを利用することが推奨されます。以下に、ラクテスを利用する際の具体的なステップを紹介します。

1. アカウントの作成と設定

ラクテスのアカウントを作成します。無料のプランがあります。

2. 試験の作成

試験問題をラクテスの管理画面に入力し、問題形式や配点を設定します。

3. 試験の配布

受験者に受験用リンクを送信し、指定された時間内にオンラインで回答してもらいます。

4. 回答の収集と採点

ラクテスは自動採点機能を備えているため、受験終了と同時に管理画面上にすべての回答データと得点が集計されます。

5. 結果の分析とフィードバック

試験結果を分析し、受験者にフィードバックを提供します。結果データはクラウドに保存されていて、必要に応じてExcelデータとしてエクスポートして利用可能です。

まとめ

紙ベースのテストをデジタル化すると、多くのメリットが得られます。業務効率の向上、公平な評価、データの管理と分析の容易さ、環境への配慮など、有益な点が多いです。しかし、紙のテストのデジタル化には初期投資やセキュリティ対策、ユーザーの適応などの課題も伴います。

専用のデジタル試験プラットフォームであるラクテスでは、こうした課題を解決できます。効率的かつ安全にテストのデジタル化を進めたい方はぜひご利用ください。

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