品質保証職(機械技師・エンジニアなど)に必要なスキルと採用に使えるテストの例題

品質保証職は、製品の安全性やクオリティを維持するための重要な職業です。製造フローの開発から出荷における検査規定や品質評価、不良品が出た場合の原因究明やクレーム対応に至るまで包括的にカバーするため、さまざまなスキルが求められます。

しかし、エントリーシートや面接だけで詳細なスキルや業界への理解度を評価するのは難しいでしょう。そんなときは、応募者の保有スキルを評価できるスキルチェックテストの実施がおすすめです。今回は、品質保証職に求められるスキルと、そのスキルを確認するテストについて解説します。

品質保証職で求められるスキル

品質保証職は、製造フローの開発段階から、製品の安全性や不良品の防止につながる仕組みを構築しなければなりません。製造機械や業界に対する知見だけでなく、製造に問題が生じたときの対応力やPDCAを回す意識など、求められるスキルは多岐にわたります。製造物の品質は、企業ブランドに直結する重要な要素です。製造現場の責任を担う役割である以上、必要なスキルも必然的に多くなります。

ITリテラシー

品質保証職では、製造機械だけでなく、IT関連の機械も多く扱います。ソフトウェアやアプリケーションのリリース後に不具合やトラブルが起こるケースも少なくないため、品質保証担当者がクレーム対応やトラブルシューティングを行う必要があります。

また、ライン工場の製造現場においても、管理や効果測定にデジタルツールを使う機会は多いものです。そのため、高いITリテラシーが求められます。

問題解決能力

品質保証の業務は製造プロセス全体に関わるため、トラブルや課題を迅速に解決する能力が必要です。例えば、製造中に不良品が発生した場合、原因を迅速に特定し、再発防止策を講じなければなりません。

原因特定には、製造ラインの各工程の分析や、関連部門との連携が必要です。また、発生した問題の程度が大きければ、品質管理手法の見直しや製造プロセスの改善・効率化を図る必要も出てくるでしょう。再発防止につなげるためにも、高度な問題解決能力が求められます。

改善意識

品質保証の職務では、トラブルや不具合の再発防止や品質のさらなる向上など、既存のシステムを改善し続ける意識が求められます。品質トラブルが発生した際は、要因分析を行い、工程の改善や作業手順の見直しを行うことが一般的です。また、製造現場ではヒューマンエラーを防ぐためのマニュアルの作成や改訂、さらにはリスク評価を基にした改善策の立案が欠かせません。

対応力

品質保証職の業務には製品出荷後のクレーム対応も含まれるため、冷静かつ迅速に対処する力が必要です。例えば製品に対するクレームが発生した際は、まず事実確認を行い、原因究明とともに適切な対応策を提示しなければなりません。

緊急性の高い不具合の迅速な調査、クレーム発生後の報告・謝罪、関係部署との調整も求められます。全く想定していなかったクレームやトラブルが発生しても、柔軟に対応できるスキルを身に着けておくことが大切です。

論理的思考

品質保証の現場では、感情や雰囲気に流されず、データや事実に基づいた論理的思考が求められます。問題発生の原因についていくつかの仮説を立て、データに基づいて検証することが必要です。問題の原因一つを特定するだけでも、徹底した調査が必要になることもあります。作業のクオリティを保つために、冷静に筋道を立てて解決に導く論理的思考力は不可欠といえます。

おすすめのスキルチェックテスト4選

ここからは、品質保証職に求められるスキルを保有しているか評価できるスキルチェックテストを4つご紹介します。採用人材のミスマッチを防いで高度な人材を見極めるには、以下のテストが効果的です。

論理的思考力と数的処理能力を測るテスト

応募者に論理的思考力があるか、数的処理を問題なく行えるか、迅速に回答できるかを確認できます。選択式での出題です。

A、B、C、D、Eの5つの会社の従業員数を比較したところ、次のことがわかった。 1. 同じ従業員数の会社はない 2. Aの従業員数はBより多い 3. Cの従業員数は2番目に多い 4. Dの従業員数はAとBの従業員数の平均に等しい

1.次の推論X、Y、Zについて、必ずしも誤りとはいえないものはどれか。

X:AはCより従業員数が少ない

Y:BはDより従業員数が多い

Z:DはEより従業員数が少ない

・Xだけ

・Yだけ

・Zだけ

・XとY

・XとZ

・YとZ

・XとYとZ

・いずれでもない

2.1~4の条件のほかに、少なくともどの条件を加えれば、AからEの5つの会社の従業員数の順位が決まるか。

X: Aは一番従業員数が多い

Y: BはCより従業員数が少ない

Z: EはAより従業員数が多い

・Xだけ

・Yだけ

・Zだけ

・XとY

・XとZ

・YとZ

・XとYとZ

・X、Y、Zのすべてが加わっても決まらない

ある年の売上高ランキングで、A、B、C、D、E、Fの6つの会社を調べたところ、次のことがわかった。 1.同じ順位の会社はない 2.AはDより1つ上の順位だった 3.BはEより3つ上の順位だった 4.Cは上位3位以内に入った

3.2位になる可能性の会社はどれか。あてはまるものをすべて選びなさい。

・A

・B

・C

・D

・E

・F

論理的思考力と数的処理能力を測るテスト

品質保証では、トラブルシューティングやマニュアルの作成など、冷静な論理的思考が必要な場面が少なくありません。データやファクトに基づいて品質改善を行うためにも、論理的思考は必須といえるでしょう。

面接で使える「問題解決スキル」を見極めるための質問

応募者の問題解決能力について問う問題です。記述式で、分析力・意思決定力・協力の姿勢・柔軟性について出題されます。

1.過去に直面した最も困難な問題について教えてください。その問題をどのように解決しましたか?

2.複数の解決策が考えられる問題に直面した場合、どのようにして最適な解決策を選びましたか?

3.チームで取り組んだプロジェクトで問題が発生した場合、どのように対処しましたか?

面接で使える「問題解決スキル」を見極めるための質問

本テストを実施することで、クレーム対応やトラブルシューティングといった業務の際に、迅速に問題を解決できるかを評価できます。

ITリテラシーチェックテスト

「ITリテラシーチェックテスト」とは、基礎的なITスキルに関する問題です。選択式で、専門的な領域の問題や、ITツール・データの適切な取り扱いに関する意識を問います。

1.プロジェクトマネジメントの5つのプロセスグループに含まれるものはどれですか?

A. 設計

B. 実行

C. 保守

D. デバッグ

2.Webサイトの表示で使用されるプロトコルは何ですか?

A. IP

B. HTTP

C. FTP

D. SMTP

3.データベース管理システム(DBMS)の一種であるリレーショナルデータベースにおいて、データが整理される基本的な構造は何ですか?

A. テーブル

B. ツリー

C. グラフ

D. セット

ITリテラシーチェックテスト

データドリブンな意思決定やファクトコントロールなど、品質保証の業務を効率的に行うには、ITツールの活用が不可欠です。本テストを実施することで、応募者のITに対する理解の深さと、ツール活用のスキルを評価できます。

品質管理技術者のスキルチェックテスト

品質管理技術者・品質保証担当者・品質管理システム担当者・品質改善プロジェクトのリーダー・品質管理コンサルタントといった仕事に求められるスキルをチェックする問題です。選択式で、品質保証・管理における基礎的な知識を問います。

1.「QC7つ道具」のうち、不良品やクレームの原因を分析するための手法は何か。

・パレート図

・散布図

・フローチャート

・ヒストグラム

2.一定の品質水準を保つための手法であるSPCは何の略称ですか。

・Statistical Progress Control

・Statistical Process Control

・Statistical Product Control

・Statistical Performance Control

3.「品質特性」とは何か。

・製品の物理的な性質

・製品が満たすべき要件

・製品の機能性に関する評価

・製品の品質に関する顧客の要望

品質管理技術者のスキルチェックテスト

本テストを実施することで、品質保証担当者として即戦力となるスキルを有しているかを判断できます。ほかのスキルチェックテストと並行して実施することで、より精度の高い評価を行えるでしょう。

まとめ

品質保証職は、製品やサービスのフローにおける上流工程から下流工程まで幅広く携わる重要な役割を担います。カバーする範囲が広い分、専門性だけでなく問題解決能力や論理的思考力など、物事に対して筋道を立てて迅速に対処する能力が求められます。しかし、履歴書だけで保有スキルや熟練度を判断するのは困難です。高度なスキルを持つ人材を見極めるためにも、スキルチェックテストの実施で応募者をスクリーニングする必要があります。

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