コンサルタント採用において、限られた面接時間で候補者の能力を見極めるのは難しいですよね。履歴書やスキル表記だけでは実務能力を正確に判断するのは困難です。本記事では、そんなコンサルタントに必要なスキルセットを、コンサルティング業務全般に必要な汎用スキルから分野別に異なる専門スキルまで総合的に整理し、採用現場で活用できる評価ポイントを紹介します。また、コンサルタントの採用を正確に行うためのツール「ラクテス」も紹介していきます。
目次
スキルとスキルセットの違い
スキルセットの紹介に移る前に、スキルとスキルセットの違いについて説明していきます。
コンサルタントとして成長していくために欠かせないのが「スキル」の習得です。
しかし、実際の現場では、単一のスキルだけでは複雑な課題に太刀打ちできないという壁に直面することも少なくありません。たとえば「論理的思考力」だけが優れていても、クライアントの意図を正しくくみ取るヒアリング力や、相手を納得させるプレゼン力が伴わなければ、解決策は実行に移されません。
こうした実務上の要求に応えるために重要なのが、「スキルセット」という視点です。
「スキル」は個々の能力(点)であるのに対し、「スキルセット」はそれらを有機的に組み合わせて活用する力(面・構造)です。
スキルセットとは、ただのスキルの“足し算”ではなく、目的や状況に応じて適切に組み合わせて成果を出す力を意味します。
スキルセットを重視すべき理由
ではコンサルタントとして活躍するために、なぜスキルセットが重要なのでしょうか。
それはずばり、コンサルタントの業務には「柔軟性」が求められるからです。コンサルタントの仕事は、常に「正解のない問題」に立ち向かうことです。
その場その場で異なる関係者、制約条件、業界特性に向き合いながら、最適な打ち手を導く必要があります。 このときに求められるのは、「○○力があるかどうか」ではなく、いまこの状況においてどの力を、どう使い分けるかという視点です。そのため、単一のスキルではなく複合的な力である「スキルセット」が重要になってきます。
コンサルタントに共通して求められるスキルセット
コンサルタントには様々な職種がありますが、どの職種にも共通して求められる基礎的なスキルセットは以下の通りです。
1.論理的思考とフレームワーク
コンサルタントにとって、複雑な課題を整理し、筋道立てて結論を導く論理的思考力は不可欠です。さらに、状況に応じて「3C」「SWOT」「ロジックツリー」などのビジネスフレームワークを柔軟に使いこなす力が必要です。単なる知識としてではなく、「いま何を分解し、どう分析すれば解像度が上がるか」を判断する実践的な運用力が問われます。
2.ビジネスの基本構造理解
クライアントの事業を深く理解するには、その企業がどのように価値を創出・提供し、収益を得ているかといった「ビジネスモデル」の構造を把握していることが前提となります。売上構造、コスト構造、KPI設計などの観点をもとに、業界特性を踏まえて分析する力が、課題抽出や改善提案の精度を大きく左右します。
3.プレゼンテーション・ドキュメンテーション
提案や示唆がどれほど優れていても、相手に伝わらなければ意味がありません。コンサルタントには、論点を的確に整理し、相手の視点で理解・納得してもらえるように伝える力が求められます。口頭でのプレゼンテーション力に加え、資料構成や図解・文章表現の技術も含めた「ドキュメンテーション力」は、クライアントとの信頼構築にも直結する重要なスキルです。
4.プロジェクトマネジメント
コンサルティング業務は、限られた期間とリソースの中で成果を出す「プロジェクト型」の仕事が中心です。タスクの洗い出し、進捗管理、リスク対応、メンバー調整など、計画から実行までを一貫してマネジメントする力が必要です。特に若手のうちは、コンサルティング内容だけでなく「どう進めるか」も価値の一部となるため、PMスキルは欠かせません。
5.ステークホルダー管理とファシリテーション
プロジェクトを成功に導くには、クライアント内部や関係部署など多様なステークホルダーとの連携が不可欠です。立場や利害の異なる人々と合意を形成し、共通の目的に向かわせる「ステークホルダー管理力」と、会議やディスカッションを効果的に進行する「ファシリテーション力」は、コンサルタントの調整・推進力を支える重要なスキルです。
コンサルタントに共通して必要なスキルセットは以上の5つのスキルから構成されています。コンサルタントとして活躍するためには欠かせないスキルです。
分野別スキルセット
コンサルタントに必要なスキルセットはどの分野をコンサルティングするかによって異なります。上記に挙げた5つのスキルに加えて分野別に必要なスキルを紹介します。
戦略コンサルタント
戦略コンサルタントには、企業や事業の方向性を構想し、経営層と対等に議論することが求められます。共通スキルに加え、業界構造を深く分析する力や、財務諸表をもとに経営の健全性を読み取るファイナンスリテラシーが重要です。また、抽象度の高い課題を扱うため、全体を俯瞰して本質を見抜く力や、CxOクラスとの折衝に耐えうる高度なプレゼン力も求められます。
業務コンサルタント
業務コンサルタントは、現場に入り込み、既存の業務プロセスを可視化・改善していく役割を担います。そのため、As-Is/To-Beで業務フローを設計できるプロセス構築力や、現場の本音を丁寧に引き出すヒアリング力が欠かせません。データに基づく課題抽出力とともに、改革を実行に移すためのチェンジマネジメント力(=現場を巻き込み変化を推進する力)も非常に重要です。
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、システムの導入やDX推進を通じて業務とテクノロジーの橋渡しを行います。業務理解とシステム要件をつなぐコミュニケーション力に加え、クラウド、AI、IoTなど最新のテクノロジーへの理解が不可欠です。また、経営層・現場・情報システム部門など多様な利害関係者を調整する力や、小さく始めて成果を積み上げる“スモールスタート”の設計力も実務では重宝されます。
人事・組織コンサルタント
人事・組織コンサルタントは、目に見えにくい「人」に関わる課題を扱います。組織行動や心理的安全性といったソフトな側面に加え、等級・報酬・評価制度といった制度設計のロジックも理解している必要があります。また、研修や施策の設計力、現場との共感的な対話力も求められます。人を動かすには、ロジックと感情の両面からアプローチする力が問われる領域です。
財務・会計コンサルタント
財務・会計コンサルタントには、財務三表を正しく読み解く力が求められます。特に、企業の収益性・健全性を把握したうえで、コスト構造やキャッシュフローの改善提案ができることが重要です。また、会計制度や原価計算に関する専門知識も必要とされます。数字を扱うだけでなく、経営者視点で対話し、意思決定を後押しする対人スキルも備えていることが望まれます。
マーケティングコンサルタント
マーケティングコンサルタントは、顧客理解を出発点に、戦略から施策実行までを支援します。ペルソナ設計やカスタマージャーニーの構築力、広告・Webデータの分析力など、定性的・定量的両面の視点が必要です。さらに、ブランド戦略や販促施策など、クリエイティブに対する評価・ディレクション力も求められます。マーケティングの全体設計と、施策の具体化を橋渡しするスキルが鍵となります。
スキルセットを見極めるツール「ラクテス」
自己申告のスキルしかわからず、客観的な評価ができない従来の面接や履歴書では、候補者がスキルセットを備えているかを正確に見極めるのは難しいのが実情です。そこでおすすめしたいのが、コンサルタント向けのスキル評価ツール「ラクテス」です。
以下のスキルセットテストでは、コンサルタントに必要なスキルを網羅的に測定できます。
また、必要に応じて以下のようなテストを組み合わせ、自社の目的に合ったテストを作成することも可能です。
- 論理的思考
- Excel(複数テストあり)
- Power Point(複数テストあり)
- 日商簿記検定2級
- クラウドエンジニア スキルセット
- 経営分析に関するテスト
ラクテスの特徴と導入メリット
ラクテスを導入することで、職種ごとに必要なスキルセットをまとめて評価できるだけでなく、実際の現場に即した実践力を客観的に把握できます。
さらに、ラクテスには800以上のサンプルテストが含まれており、これらを必要に応じて追加・組み合わせることで、自社に最適化したスキルセットテストを柔軟に作成することができます。これにより、従来の面接や履歴書では見抜けなかった即戦力性をより正確に評価でき、採用後のミスマッチや早期離職のリスクを大幅に減らせます。
加えて、評価結果をデータとして蓄積・分析することで、自社に合う人材の特徴を把握し、採用基準の見直しや改善にも活用できます。こうした多面的なメリットにより、採用の質と効率を同時に高め、組織全体の競争力向上につなげることが可能です。
コンサルタント採用を成功させるために
コンサルタント採用を成功させるには、スキルセットを軸にした総合的な評価が欠かせません。技術スキルだけでなく、複数の能力を組み合わせた実践力を見極めることで、即戦力かつ成長意欲の高い人材を採用できます。
さらに、職種ごとのスキルセットを正しく理解し、コンサルタントへの適性を考慮した評価を行うことで、チーム全体のパフォーマンス向上にもつながります。
ラクテスのようなツールを活用すれば、候補者を客観的かつ多角的に評価でき、選考の質と効率を同時に高められます。
まずは、自社の採用要件を整理し、必要なスキルセットを明確にすることから始めましょう。適切な評価手法とツールを取り入れ、優秀な人材の確保と組織の成長を実現していきましょう。