エンゲージメントサーベイに適した質問項目とは? 目的やメリットも解説

人事担当の方などは、従業員の会社に対する愛着度はどうなのか、また組織に対してどんな不満や要望を抱えているかわからないということも多いのではないでしょうか。そのような場合、従業員エンゲージメントを測定できるエンゲージメントサーベイを実施することをおすすめします。この記事では、エンゲージメントサーベイの質問項目や具体的内容について、また調査を実施することの目的やメリット・デメリットについて解説していきます。

エンゲージメントサーベイとは

そもそもエンゲージメントとは、「婚約」「誓約」「契約」など、強いつながりをもった関係といったニュアンスをもつ言葉です。使用シーンによって意味合いは変わってきますが、特に企業人事などの領域では「従業員エンゲージメント」という言い方をします。これは、従業員と企業の信頼関係や、従業員が企業に対してどれだけの愛着や帰属意識をもっているかなどを意味します。

そしてエンゲージメントサーベイは、こうした従業員エンゲージメントを測るための調査です。複数の質問を通して従業員の帰属意識を定量化し、従業員が会社に対してもっている感情を分かりやすく分析できます。具体的な数値で結果を抽出するため、客観的な視点から従業員エンゲージメントを把握することが可能です。

パルスサーベイとの違い

エンゲージメントサーベイと似た意味合いの調査に、パルスサーベイがあります。パルスとは「脈拍」を意味する言葉で、パルスサーベイとは脈を打つように高い頻度で意識調査を行うことを指します。パルスサーベイは頻度の高い調査である代わりに、設問数が少なく、その日の感情や特定の部署内だけに関する設問が多いという特徴があるため、比較的手軽に答えることが可能です。絶え間なく継続的に調査を実施するので、回答の変化などに敏感に反応でき、課題に対してよりスピード感をもって対応できるというメリットがあります。

パルスサーベイが日次、週次と高頻度で行うのに対し、エンゲージメントサーベイは半年から一年に一回の頻度で実施することが一般的です。また、パルスサーベイが手軽で設問自体はシンプルだった一方で、エンゲージメントサーベイは設問内容が細かく、より具体的に従業員エンゲージメントを測定できます。ただ質問内容が細分化される分、従業員が回答するのに手間がかかり、有意な結果を導くためにはスキルや時間を要するというデメリットがあるため、うまく使い分けていく必要があるでしょう。
パルスサーベイに関して詳しくはこちら

エンゲージメントサーベイを行う目的

エンゲージメントサーベイが実施される目的は、企業によってさまざまです。具体的なものとしては、組織の課題発見や人事施策の決定などが挙げられます。

組織の課題発見

従業員の帰属意識は、会社への信頼度や愛着など、一人ひとりの内面にある定性的・潜在的な感情であるため、従業員の行動を見ただけではわからない部分も多いです。エンゲージメントサーベイを行えば、そういった定性的な感情を数値化できるため、普段は見えていなかった従業員の意識や考え方を知ることができ、潜在的な組織の課題発見につなげられます。例えば企業の業績自体は良好で会社的に何の問題がないように見えても、エンゲージメントサーベイを行うことで従業員の不満などが顕在化し、課題を発見できるということもあるでしょう。

人事施策の決定

エンゲージメントサーベイの内容を細かく分析して課題が見えてくれば、それを解決するための人事施策などを決定することが可能です。特に人事施策を決めるうえで何から取り組めばいいか悩んでいる組織は、エンゲージメントサーベイを行うことで、人事面談の実施や環境整備など、課題に対して正確かつ迅速な対応ができるようになるでしょう。

従業員と組織のギャップの把握

エンゲージメントサーベイは、従業員と組織のギャップを把握するうえでも有効です。組織の上層部には、部下や従業員が不満をもっていないように見えていても、実際には従業員の中で課題意識を抱いている場合があります。従業員も、上層部に対して不満を抱えているにもかかわらず、なかなか言語化して伝えられないということが頻繁に起こります。

そのようなとき、エンゲージメントサーベイを行えば意識の数値化を通して客観的に従業員と組織の関係を正確に把握することが可能です。また経営陣は、従業員がどれくらい会社の理念に共感しているかなど、気になりながらも、なかなか直接的には聞きづらいことも、エンゲージメントサーベイを通じて把握できます。

エンゲージメントサーベイの具体的な質問項目

では、エンゲージメントサーベイの質問項目にはどのようなものがあるでしょうか。有名なものにアメリカの大手調査会社、ギャラップ社が作成を行った12の設問があり、これによって従業員の幸福度が測れるとされています。質問内容は下記の通りです。

設問1:職場で自分が何を期待されているのかを知っている
設問2:仕事をうまく行うために必要な材料やツールを与えられている
設問3:職場で最も得意なことをする機会が毎日与えられている
設問4:この1週間のうちに、よい仕事をしたと認められたり、褒められたりした
設問5:上司または職場の誰かが、自分をひとりの人間として気にかけてくれている
設問6:職場に自分の成長を促してくれる存在がいる
設問7:職場で自分の意見が尊重されていると感じる
設問8:会社のミッションや目的を読むと、自分の仕事は重要だと感じられる
設問9:職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている
設問10:職場に親友がいる
設問11:この6ヶ月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた
設問12:この1年のうちに、学びや成長の機会を得られた

これら12個の質問に対し、
・完全に当てはまる(5点)
・やや当てはまる(4点)
・どちらともいえない(3点)
・やや当てはまらない(2点)
・完全に当てはまらない(1点)
という5パターンで従業員に回答をしてもらい、結果をまとめます。これによって従業員の帰属意識が測定でき、点数が高いほどエンゲージメントも高いとされています。

これらの質問は、従業員と会社・上司・同僚との関係性を聞くものがほとんどです。すなわち従業員の幸福度を上げ、会社の生産性向上につなげるには、こういった関係性が大切だということが示されています。

エンゲージメントサーベイのメリットやデメリット

エンゲージメントサーベイには、メリットとデメリットがあります。実際に調査を行うか悩んでいる場合は、両者をしっかりと理解し比較検討するとよいでしょう。

エンゲージメントサーベイのメリット

まず、メリットから紹介します。主なものとしては、組織の生産性向上や離職率の低下などが挙げられます。

組織の生産性向上

調査を通して獲得した結果を元に施策を実施し、従業員の満足度を上げられれば、組織の生産性向上につながります。実際、厚生労働省が発表した「令和元年版 労働経済の分析」では、「エンゲージメント」と「生産性」に相関関係があることが示されています。この調査では、従業員が働きがいを感じている割合が高い組織ほど、従業員一人ひとりの生産性、また組織全体の生産性が高くなっているという調査結果が出ています。

従業員・組織の生産性が上がれば、その分業績のアップにもつながり、給与体系や福利厚生の改善が期待できます。そして、これを受けてさらに従業員エンゲージメントが上昇するという好循環がもたらされることも考えられるでしょう。

令和元年版 労働経済の分析

離職率の低下

一般企業においては、特に新入社員〜3年目くらいまでの離職率が重要視されることが多く、実際に人事が若手社員の定着に力を注いでいる企業が多いです。以下の表は新規学卒者の事業所規模別就職後3年以内の離職率になります。

新規学卒就職者の事業所規模別就職後3年以内離職率 ※( )内は前年差増減

出典:厚生労働省「新規学卒就職者の事業所規模別就職後3年以内離職率」(新規学卒就職者の離職状況を公表します)https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00004.html

上の図を見ると、事業所の規模によって離職率に差はありますが、大規模な事業所でも約25%が離職していることがわかります。エンゲージメントサーベイを行えば、若手社員のみならず全社員の離職率を下げることが期待でしょう。

離職には人間関係の問題や給与面での不満など、定性的な原因がさまざまありますが、この調査を行えば具体的に課題を顕在化できるため、離職が起きる前に課題の解決に取り組めます。当然、従業員も会社に対する愛着が高いほど、今の会社で働き続けたいと感じるため、エンゲージメントサーベイから得た内容の分析が従業員の定着に役立ちます。また、エンゲージメントサーベイの実施や人事制度の改善など、取り組みを行うこと自体も従業員に改善の姿勢を伝えられるため、離職率の抑制に効果があるでしょう。

リファラル採用の増加

リファラル採用とは、通常の求人応募からの採用ではなく、すでに働いている従業員から紹介を受ける非公開の採用方法です。一般公募をしないため費用を抑えられる上に、能力的にも期待できる人材を確保しやすく、近年多くの企業で取り組まれています。

エンゲージメントが高いということは、その従業員がもつ会社への帰属意識が高く、仕事にやりがいを感じている状態です。そのため、知り合いにも自分が所属する会社で働いてほしいと推薦しやすくなり、結果としてリファラル採用での人材確保につなげられます。そして、リファラル採用で入社した人材も、紹介した従業員から組織の良い印象を受けている可能性が高く、早期離職のリスクを抑えることにつながります。

エンゲージメントサーベイのデメリット

多くのメリットがある一方で、エンゲージメントサーベイにはデメリットも存在します。デメリットを把握することで、それに対してどう対応すれば良いかも理解できるでしょう。

ひとつ目のデメリットは、設問数が多く、調査が従業員の負担になってしまうことです。エンゲージメントサーベイを行う頻度にもよりますが、多くの質問項目を設けると従業員のストレスにつながります。回答も適当になってしまい、正確な調査が行えない可能性もあるでしょう。パルスサーベイのような10問前後の簡単な内容であれば、月次で行うことも可能ですが、より詳細で具体的な回答を求めるエンゲージメントサーベイの場合、半期に1回、もしくは年1回などにとどめ、設問数は50〜100問を目安にするのが良いでしょう。

ふたつ目は、エンゲージメントサーベイを実施するタイミングによって、その効果に違いが生まれる可能性があるということです。エンゲージメントサーベイの内容は、人間関係に重きを置いた内容が多々あります。新しくチームが発足したタイミングや人事異動の直後などは、まだ設問内容にそぐわない状況であるため避けたほうが良いでしょう。また業務が過多になる繁忙期など、エンゲージメントサーベイの回答に時間を割けない時期に実施してしまうと、従業員がじっくりと回答をできない可能性が高く、結果として正確な調査を行えない場合があります。エンゲージメントサーベイの実施にあたっては、行うタイミングをしっかり見極めて、従業員からできるだけ正確な回答を得られるように工夫する必要があります。

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エンゲージメントサーベイの質問項目としては、米国ギャラップ社のものが有名です。また、オリジナルの設問を作成できる「ラクテス」でも、エンゲージメントサーベイを作れるので、従業員への調査を検討している方は是非チェックしてみてください。詳細はこちら

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まとめ

エンゲージメントサーベイを行えば、従業員の帰属意識や会社への愛着を顕在化させ、組織をよりよくする活動につなげられます。課題が明確になり施策を実施すれば、組織の生産性向上や離職率の低下といったメリットを享受できるようになるでしょう。ただ、エンゲージメントサーベイは設問数が多くなることもあり、従業員に正確に回答してもらうためにも実施時期や所要時間などに気を配る必要があります。ラクテスでは質問項目の設定も簡単なので、管理がしやすいというメリットがあります。ラクテスを活用してエンゲージメントサーベイを簡単に実施しましょう。

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