クラウド試験運用システム「ラクテス(https://rakutesu.com/)」を運営するサイトエンジン株式会社(以下、サイトエンジン)は、2023年4月3日~2023年4月4日、企業の人事担当者139名を対象に、リスキリングの導入状況に関するアンケート調査を実施しました。本調査では、社員教育の方法や、リスキリングの導入までにかかった期間、リスキリングの導入により得られた効果などについて質問を行いました。
調査の結果から、企業のリスキリング導入状況や、取り組み内容などが明らかになりました。従業員のリスキリングに取り組むべきかお悩みの方や、取り組み内容を検討中の方はぜひ参考にしてください。
目次
調査概要
- 調査実施期間:2023年4月3日~2023年4月4日
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:自社調べ(調査ツールFastask使用)
- 調査対象:日本国内企業の人事担当者139名
調査結果概要
- リスキリングに取り組んだことがある企業は約5割、導入を検討している企業は約2割
- 導入までにかかった期間は「6ヶ月以上2年未満」が約6割
- 教材やカリキュラムを外部委託した企業は6割超
- 導入により、社員のスキルやモチベーションが向上したと感じている企業が多い
- 予算は「1人当たり年間11万円~20万円」との回答が最多
- 取り組み内容としては「管理職のスキル把握、可視化」が最多
- 導入・検討しない主な理由は「時間とコストがかかる」「ノウハウや知識がない」の2つで、それぞれ34.1%
調査対象企業情報
様々な業種・企業規模の200社を対象に、リスキリングの導入状況について尋ねるアンケート調査を行いました。アンケートに回答いただいた企業の規模と業種の内訳は以下の通りです。
アンケート調査結果
1.リスキリングの導入状況
企業のリスキリングの取り組み状況について尋ねたところ、【現在取り組んでいる】と答えた企業が46.0%、【過去に取り組んでいた】と答えた企業が5.8%でした。リスキリングの取り組みを行った経験がある企業は全体の5割を超えます。また18.7%の企業は【導入を検討している】と回答しました。
一方で、【リスキリングに取り組んでおらず、導入を検討していない】と答えた企業は29.5%でした。
2.導入までにかかった期間
リスキリングに取り組んでいた、または現在取り組んでいる企業に対し、導入までにかかった期間を尋ねました。
【6ヶ月以上1年未満】、【1年以上2年未満】との回答がどちらも29.2%で、最も多い結果になりました。
3.アウトソーシングについて
リスキリングに取り組む際、外部サービスを利用したかどうかについての質問を行いました。【教材や教育カリキュラム】を外注した企業は62.5%、【研修業務】を外注した企業は56.9%でした。その他、【スキルチェック・アセスメント】を外注した(26.4%)、【Eラーニングのサービス】を導入した(25.0%)という回答が寄せられました。
リスキリングの取り組みを全て自社内で実行したと答えた企業は15.3%にとどまりました。
4.得られた効果
リスキリングの導入によって得られた効果としては、68.1%の企業が【社員のスキル向上】と回答しました。また、【社員のモチベーション向上】も68.1%でした。【社員のキャリアアップ】(56.9%)、【組織の生産性向上】(51.4%)、【人材採用の成功率向上】(30.6%)など、導入によって様々な効果を得ていることが分かりました。
5.予算
従業員1人当たりにかけるリスキリングの年間予算は、【11万円~20万円】が30.6%と最多でした。その他の回答は、多い順に【6万円~10万円】(20.8%)、【21万円~30万円】(15.3%)、【5万円以下】(11.1%)、【51万円以上】(4.2%)、【31万円~50万円】(1.4%)でした。
6.取り組み内容
リスキリングの取り組み内容としては、【管理職のスキル把握、可視化】(68.1%)、【一般従業員のスキル把握、可視化】(63.9%)など、従業員のスキル状況を見える化する取り組みを行っている企業が多くありました。
その他、【Eラーニング実施】(63.9%)、【社員の資格取得支援】(52.8%)、【ローテーション制度】(45.8%)など、従業員のスキルを向上させるための様々な取り組みを行っていることが分かります。
7.導入した(導入を検討する)理由
リスキリングを導入した、あるいは導入を検討する理由として最も多かった回答は【業務効率化・生産性の向上】(62.2%)と、【専門人材の育成】(62.2%)です。社員のモチベーションアップ(54.1%)を目的とする企業も多いです。
8.導入しない(検討しない)理由
様々なメリットが得られるリスキリングですが、導入しない(検討しない)と答えた企業もあります。その理由として多いのは【時間とコストがかかる】(34.1%)、【導入のノウハウや知識がない】(34.1%)でした。また3割近くの企業が【社員のリスキリングに対する意欲が低い】と回答しています。
まとめと導入のポイント
今回の調査を通して、半数以上の企業がリスキリングに取り組んでいる、あるいは取り組んだことがあることが分かりました。また2割近くの企業がリスキリングの導入を検討しています。企業のリスキリングへの関心の高さが伺えます。
リスキリングを導入することで、社員のスキルやモチベーションが向上するだけでなく、企業全体の業務効率化や生産性向上につながるというメリットが得られます。
しかし、導入にはコストや時間がかかるため、リスキリングの導入ができない企業も存在します。社内のノウハウ不足や、従業員の意識が低いことも導入を阻む原因となっています。
そこで、リスキリングを導入するためのポイントを紹介します。
リスキリングに取り組む目的を明確にする
リスキリングには、社員のスキルアップや企業の業務効率化などの様々なメリットがあります。しかし導入の目的が明確でないと、成功の定義が曖昧になってしまいます。リスキリングを導入することについて社内の理解を得られなかったり、取り組みを継続することが難しくなったりしてしまいます。まず自社が何のためにリスキリングに取り組むのか、リスキリングによってどのような人材の育成を目指すのかを明確にしましょう。
リスキリングの意義や重要性を社内で浸透させる
様々な技術の進化やグローバル化に伴い、これからの時代は従業員一人ひとりが時代に合った新しいスキルを習得していくことが大変重要です。しかし、日本で「リスキリング」という用語やその重要性が認知されるようになったのは「働き方改革」が推進された2010年代に入ってからで、比較的最近のことです。そのため、リスキリングの概念や重要性について理解が進んでいない従業員がいる可能性が高いです。まずはリスキリングの意義や重要性について理解を深めてもらうための研修を行うと良いでしょう。
アウトソーシングを活用する
リスキリングの取り組みを社内の人員だけで行うことは難しい場合が多いです。その場合は、アウトソーシングを活用するのも一つの手です。リスキリングのために必要なサービスを外注することで、企業は必要な時間や手間を削減でき、本来の業務に集中できます。また研修を外部委託することで、社内で行う研修に比べてコストを削減できる場合もあります。専門性の高い外部講師に研修を依頼すれば、学習の効果をより高められるでしょう。
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サイトエンジンは、オンライン上で簡単にスキルチェック問題を作成できるサービス「ラクテス」を提供しています。ラクテスでは、ビジネスマナーやエクセル・ワード・パワーポイントの使い方など基礎的なビジネススキルをはじめ、IT、プログラミング、簿記、組織マネジメントなどの様々なスキルを測る50以上のテンプレート問題を用意しています。またその豊富なテンプレート問題を基に、自社業務に合わせたテストを自由に作成できます。無料プランもございますのでぜひお試しください。
テスト制作にお困りの場合は、弊社にて制作サポートを行うことも可能です。リスキリングのためのテスト作成はラクテスにお任せください。
最後に
最後までお付き合いいただきありがとうございました。サイトエンジンでは、今後も企業の採用や評価など、人事に関連した調査を行っていく予定です。
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