高齢化が進むにつれて介護業界の人材不足は顕著になり、多くの施設などで採用活動が盛んに行われています。介護業界に適した人材、特に即戦力となる人材を獲得するには、採用時にスキルを的確に把握する必要があります。スキルは履歴書などの書面だけでは十分に把握しきれないため、面接時にスキルチェックテストを別途実施するのがおすすめです。
今回は、介護士やケアマネジャーなど、介護分野を担う人材に求められるスキルや、選考時に利用できるスキルチェックテストについて紹介します。
目次
介護業界で求められるスキル
ここでは、介護業界で求められる5つのスキルを紹介します。利用者のケアを行う専門的な知識はもちろん、信頼関係を構築するためのコミュニケーションスキルやチームワークスキルも重要です。
信頼関係を築くためのコミュニケーションスキル
利用者およびその家族、他のスタッフとの信頼関係を築くには、コミュニケーションが欠かせません。相手の気持ちに寄り添って要望や症状を正確に理解するには、適切な質問をしてよく耳を傾ける必要があります。また、大切な情報を相手にとってわかりやすい方法で伝えることも必要です。
チームワークスキル
利用者や患者の介護は、1人ではなくチームで行うものです。そのため、他の介護スタッフや医療機関と連携して「チームとしてどのように動くべきか」という思考が求められます。従業員同士のチームワークが良好だと、利用者や患者に提供できるサービスの質も高まります。
また、チームで仕事を行うと人間関係のトラブルが発生することもあります。そのようにトラブルが起きた際に、利用者のためにどうすべきかを考えて、解決のために協力する精神や行動力も必要です。
介護技術スキル
介護士やケアマネージャーには技術や知識も求められます。日常生活(食事、入浴、排泄など)の基本的な支援を安全に行い、利用者の生活の質を良好に保つためには、確かな知識と実務経験が不可欠です。即戦力となる人材を採用したい場合は、具体的な経験年数や取り組んだことのある業務内容を確認しましょう。
認知症ケアスキル
介護施設で活躍するためには、認知症ケアスキルも求められます。認知症とはどのような症状があり、支援者にはどのような対応が求められるかを把握することで、認知症患者に対して適切なアプローチができます。もしも認知症への理解が不足していると、対応を誤って、患者に不快な思いをさせたり、症状の悪化を招いたりするかもしれません。認知症の利用者にも快適に過ごしてもらうため、知識やスキルが必要です。
福祉用具の知識と管理スキル
福祉用具を正しく扱えるかを採用時に確認しておくことも重要です。福祉用具の選定や操作、維持管理を適切に行い、利用者の生活支援を的確に行えるなら、安全に業務を遂行して事故を未然に防げるでしょう。なお、未経験の人材を採用する場合は、福祉用具の利用方法について研修を実施する必要があります。
おすすめのスキルチェックテスト4選
ここからは福祉業界において、採用時に活用できるスキルチェックテストを4つ紹介します。先述したコミュニケーション能力や介護士としての知識を確認できるテストを用意しています。
面接で使える「コミュニケーションスキル」を見極めるための質問
コミュニケーションスキルは多くの業界・業種で必要ですが、介護士やケアマネージャーの場合はより重視される傾向があります。チームでのコミュニケーションはもちろん、意思の疎通が難しい利用者への対応に欠かせないスキルです。下記のような設問に記述式で回答してもらうことで、コミュニケーションスキルについて知ることが可能です。
1.過去にチームでのプロジェクトに参加したことがありますか?その時の役割と、チーム内でどのようにコミュニケーションを取っていたか教えてください。
2.難しい同僚や上司とのコミュニケーションが必要だった経験はありますか?その状況をどうやって解決しましたか?
3.プロジェクトの進行中に意見の食い違いがあった場合、どのようにして合意に達しましたか?
面接で使える「コミュニケーションスキル」を見極めるための質問
記述式であることから、応募者の具体的な取り組みや思考を把握できるでしょう。
介護福祉士としての知識チェックテスト
ラクテスでは介護福祉士用のチェックテストもご用意しています。有資格者の知識を再度確認する際に活用できます。
1.社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている介護福祉士の義務として、適切でないものを1つ選んでください。
・秘密保持の義務
・名称の使用制限
・高齢者の疾病予防
・福祉サービス関係者等との連携
2.高齢者のQOL(生活の質)を高める方法として、最も適切なものを1つ選んでください。
・基本的にADLの向上を最優先にする
・適度に体を動かすことを習慣にする
・食事は一人でとるようにする
・体を休めるためにできるだけ長く眠る
3.高齢者とコミュニケーションを取るときの行動として、適切なものを1つ選んでください。
・目線を合わさないようにする
・耳元で大きな声で話す
・表情や仕草にも注意を払う
・できるだけ賑やかな場所を選ぶ
介護福祉士としての知識チェックテスト
法関連の知識から実際に利用者と関わるシーンでの振る舞いまで、幅広い設問を用意しています。有資格者の採用はもちろん、未経験者の研修でも活用できるでしょう。
面接で使える「チームワークスキル」を見極めるための質問
福祉業界ではチームで利用者の支援を行います。そのため、「チームで働くこと」に対して応募者がどのような認識を持っているかを確認することも大切です。下記はテストの例文です。
1.これまでにチームで達成したプロジェクトの中で、あなたの役割と貢献を教えてください。
2.チーム内で意見が対立した時、どのようにして問題を解決しましたか?具体的な事例を教えてください。
3.チームメンバーの中にモチベーションが低い人がいた場合、どのようにしてその人をサポートしましたか?
(※記述式)
面接で使える「チームワークスキル」を見極めるための質問
このテストでは、応募者の具体的な経験やトラブルへの向き合い方について確認できます。
接遇マナーに関するテスト
介護従事者が利用者と信頼関係を構築するには、接客業にも通ずる接遇マナーが必要です。最低限のマナー遵守はもちろん、「相手に快適に過ごしてもらうには」といった観点で行動することが求められます。
1.接遇マナーの5原則とは何ですか。該当するものをすべて選びなさい。
挨拶
身だしなみ
清潔感
表情
言葉遣い
2.接客マナーと接遇マナーの違いを簡潔に説明しなさい。
3.接遇マナーを身に着けるメリットとして、該当するものをすべて選びなさい。
クレーム対応能力の向上
顧客満足度の向上
従業員満足度の向上
企業評価の向上
企業の透明性の向上
接遇マナーに関するテスト
接遇マナーをわきまえていて、利用者が快適に過ごせるような応対を行える人材を採用するのに役立ちます。
まとめ
介護士やケアマネジャーなど介護業界の仕事に携わる人には、利用者がより良い生活を送るためにチームとして貢献することが求められます。そのためには、採用時に応募者のスキルを慎重に見極めることが必要です。しかし、採用活動は工数がかかるため、スキルチェックまで手が回らないと悩む担当者の方もおられます。その場合はオンラインで活用できるラクテスをご検討ください。
ラクテスは介護・福祉業界を始めとした様々な業種のテストを用意しています。専門知識に関する設問から応募者の人柄を把握できる設問まで、幅広いサンプルから自由に組み合わせてオリジナルのテストを作成可能です。効率的かつミスマッチのない採用活動を進めるためにお役立てください。