警備員に必要なスキルと採用に使えるテストの例題

警備員は、特定の施設の敷地内を巡回・監視したり、イベントや道路工事現場で交通誘導したりして、人々の安全と安心を守る重要な職業です。施設内の警備では、巡回しての異常チェック・監視カメラによる不正行為の確認・緊急事態の対応などを行います。立ち仕事や外での仕事が多いため体力が要るのはもちろんですが、安全にかかわる仕事であるため判断力や問題解決能力なども求められます。

面接や応募書類だけで判断力などの能力を測るのは難しいため、採用活動ではスキルチェックテストの実施を推奨します。応募者の基礎能力や知識量を確認できるため、採用のミスマッチを防げるでしょう。以下の部分では、警備員に必要なスキルと、適性を評価するためのテスト内容について解説します。

警備業界で求められるスキル

警備業務では、迅速な状況判断やコンプライアンスを遵守した行動などが欠かせません。警備業務に特に必要なのは、以下の5つのスキルです。

判断力

警備員には、的確な判断と、上層部などへの迅速な相談や報告が求められます。例えば、不審者を見かけたときや予期せぬ事故や災害が発生した場合、自身の裁量で許される範囲で、状況に応じた最適な行動を取らなければなりません。状況によっては警察や救急への連絡も必要です。急なトラブルに慌てることなく、冷静に状況を判断する力が欠かせません。

この判断力の度合いは、人材の性格や経験に大きく左右されます。とくに緊急時は、個人の「素」が出やすいものです。判断力を見極めるには、実際の現場を想定したシナリオでチェックテストを行うのが効果的です。

問題解決能力

警備業務では、トラブルや異常検知が日常的に発生します。さまざまな形で生じるトラブルに対して適切に対処しなければなりません。

例えば、商業施設のイベント開催日に人混みができて通行の妨げになっていれば、安全を確保できるよう誘導する必要があります。対処が遅れると事故につながりかねません。また、お客様同士のトラブルやお客様からのクレームに対応することもあるでしょう。警備員には、問題が大きくなる前に速やかに対策を考えて実行する機敏さが求められます。

法令遵守

警備員は、法令や就業規則を遵守して業務にあたらなければなりません。警備員の立場でやってよい行動の範囲を理解する必要があります。例えば、不審者が施設内に入ろうとした際に声掛けをしたり入館を断ったりすることはできますが、身元や所持品を調べることはできません。

特に、現場を取りまとめる管理者には、法令やコンプライアンスに基づいた行動や指示が求められます。現場の警備員を的確に動かすため、法令などに対する正確な知識が必要です。

注意力

警備員は、周囲の状況を常に細かく観察し、異常や相違点にいち早く気付けなければなりません。とくに施設警備では、通常あるはずのものがなくなったり、ないはずのものが存在していたりするケースには注意を払う必要があります。些細な変化や異常を見逃さない注意力は、問題を予防するうえで重要な要素です。

ストレス管理

警備の仕事は精神的に負荷がかかる場面も多く、メンタルケアや自己管理能力が欠かせません。ときには危険な状況に対処することもあるため、ストレスが蓄積されやすい職業といえます。また人々の安全を担う以上、責任感によるストレスを抱えることもあります。警備員として長く働くうえで、ストレス管理の能力は必須といえるでしょう。

おすすめのスキルチェックテスト5選

ここでは、警備業界の採用活動を行う際に、実施したいスキルチェックテストを5つ紹介します。あらかじめテストを実施することで、採用のミスマッチを防ぎましょう。

警備員のための法令順守と権限行使に関する理解度テスト

「警備員のための法令順守と権限行使に関する理解度テスト」とは、法令順守意識と適切な権限行使をチェックするための問題です。全20問の選択式問題で、警備業務における適切な対応を問います。

1.警備員は、事務員が銃器を使って強盗したことをその場で確認しました。この場合、警備員として法的に許されるのはどれですか。

1. 事務員を確保して警察に引き渡す

2. 事務員から銃器を取り上げる

3. 事務員に過剰な制止行為をする

4. 事務員に制裁を与える

2.警備員は、施設内で賭博が行われていることを発見しました。この場合、法的に適切な対応は次のうちどれですか。

1. 賭博への参加者全員を確保して警察に引き渡す

2. 賭博場を解散させ、口頭で注意を促す

3. 賭博参加者を威嚇し、強制的に解散させる

4. 賭博からの収益の一部を没収する

3.警備員が窃盗犯の確保に成功した場合、合法的に行うことができるのは次のうちどれですか。

1. 窃盗犯を拘束し、自白を強要する

2. 窃盗犯から盗品を取り返す

3. 窃盗犯の身柄を確保し、警察に引き渡す

4. 窃盗犯に制裁金を科す

警備員のための法令順守と権限行使に関する理解度テスト

警備員の仕事は「警備業法」によって詳細に定められており、警備員として働くにはそれらのルールを理解し、きちんと守ることが必要です。本テストを実施すれば、与えられた権限の範囲を理解しているかを判断できます。

面接で使える「問題解決スキル」を見極めるための質問

「面接で使える「問題解決スキル」を見極めるための質問」とは、応募者の分析力・意思決定力・協力の姿勢・柔軟性といった問題解決スキルを測る問題です。全5問の記述式で、特定の問題が生じた際に、どのように対処するかを問います。

1.過去に直面した最も困難な問題について教えてください。その問題をどのように解決しましたか?

2.複数の解決策が考えられる問題に直面した場合、どのようにして最適な解決策を選びましたか?

3.チームで取り組んだプロジェクトで問題が発生した場合、どのように対処しましたか?

本テストを実施することで、応募者が常識的な認識を持っているか、問題解決にどのようなプロセスを踏むかを判断できます。

面接で使える「問題解決スキル」を見極めるための質問

コンプライアンスのテスト問題 採用試験や研修後の理解度チェックに

「コンプライアンスのテスト問題 採用試験や研修後の理解度チェックに」とは、公序良俗に反する行為や不適切な言動に対する意識を問う問題です。全20問の選択式です。

1.「コンプライアンス(compliance)」を日本語で訳した言葉として正しいものを一つ選択してください。

・就業規則

・法令等遵守

・企業統治

・内部監査

2.領収書に記載された金額の数字を「3」から「8」に書き換えた場合、どのような罪になりますか。適用される罪名をすべて選択してください。

・私文書変造罪

・虚偽告訴等罪

・詐欺罪

・業務妨害罪

3.SNSにライバル会社の悪口を書いた際には、どのような罪になりますか。適用される罪名をすべて選択してください。

・名誉毀損罪

・侮辱罪

・信用毀損罪

・業務妨害罪

コンプライアンスのテスト問題 採用試験や研修後の理解度チェックに

本テストを実施することで、応募者が警備業務でコンプライアンスを意識した行動を取れるかを判断できます。

面接で聞くべき質問(コミュニケーション能力)

「面接で聞くべき質問(コミュニケーション能力)」とは、応募者のコミュニケーション能力をさまざまな側面から評価する問題です。全10問の記述式で、最低限のコミュニケーション能力があるかを判断できます。

1.チームで働く際に、意見の異なるメンバーとどのようにコミュニケーションを取りますか?

2.過去に経験したコミュニケーションの課題を教えてください。その際、どのように対処しましたか?

3.複雑な情報を分かりやすく伝える必要があった経験を教えてください。どのように伝えましたか?

面接で聞くべき質問(コミュニケーション能力)

本テストを実施することで、応募者がコミュニケーションを大切にしているか、報連相を問題なく行えるかを確認できます。

面接で使える「ストレス管理スキル」を見極めるための質問

「面接で使える「ストレス管理スキル」を見極めるための質問」とは、応募者の自己管理能力とストレスへの対処を知るための問題です。全5問の記述式で、ストレスの多い状況での具体的な対処や、ストレス管理の方法について問います。

1.仕事で非常にストレスがかかった状況を経験したことはありますか?その時、どのように対処しましたか?

2.締め切りが迫っているプロジェクトで、プレッシャーを感じたことがありますか?その時、どのようにしてストレスを軽減しましたか?

3.職場でのストレスを感じた際に、どのようにしてリラックスし、気持ちをリセットしていますか?

面接で使える「ストレス管理スキル」を見極めるための質問

本テストを実施することで、応募者のストレス耐性や、ストレスに感じやすい要素を推察できます。

まとめ

警備員は人々の安全を守る立場であるため、判断力や問題解決能力といったスキルが必要です。直接人々と接することが多いため、公序良俗を意識した言動も求められます。

保有スキルを正しく評価するには、多角的なテストを用いることが有効です。最低限のルールを守れるか、歪んだ常識を持っていないか、スキルチェックテストで精査しましょう。

ラクテスでは、警備業界に必要なスキルを確認できるスキルチェックテストを作成可能です。300以上あるテスト問題からチョイスして、自社の採用活動に適したテストを実施できます。

オンライン形式で簡単に作って出題できるため、普段の業務で採用活動の時間が確保できない方におすすめです。自社に合わせたテストを実施することで、自社が求める人材を選定しましょう。

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