研修のやりっぱなしはNG!評価モデルをもとにした研修効果測定の方法をご紹介

研修のやりっぱなしはNG!評価モデルをもとにした研修効果測定の方法をご紹介

従業員のスキルアップや新入社員教育など、企業ではさまざまな目的で研修が行われています。費用に見合った成果を得るためには、研修をやりっぱなしにするのではなく、研修後の効果測定を行うことが欠かせません。そこで本記事では、研修後の効果測定を行う上で知っておくべきことや、効果測定の具体的な方法について解説します。

研修の効果測定はなぜ必要なのか

企業における研修は、従業員がそこで学んだことを日々の業務で実践し、成果を出して初めて目的が達成されます。研修の実施直後に従業員の意識の向上が見られたとしても、日常業務に追われる中で研修での学びが徐々に薄れていく恐れがあります。
研修担当者は、研修がどの程度従業員の能力向上に役立ったのか、従業員の行動がどのように変容したのかを測り、それによって得られた結果をもとに研修の内容や方法についての課題を明らかにし、対応策を練る必要があります。また、研修の効果が投資に見合わないと判断される場合には、該当の研修を中止することも視野に入れるべきでしょう。
とはいえ、必要性を理解していても効果測定まで手が回らなかったり、あまりコストをかけられなかったりするケースも多いのではないでしょうか。効果測定の方法にはいくつか種類があるため、測定の精度と手間および予算を照らし合わせて、どこまで実施できるかを検討することが大切です。

研修効果測定を実施する際に押さえておきたいポイント

効果測定に取り組む前の、研修を企画する段階で押さえておくべきポイントがあります。以下で詳しく解説します。

研修を計画する前に課題が何か洗い出しをする

まずは研修を行うことで解決したい課題を洗い出しましょう。抱えている課題は立場によって違いがあるため、現場、人事、経営層など、さまざまな部署から要望をヒアリングして課題を明らかにし、研修を企画することが重要です。課題が不明確なまま研修を行ってしまうと、従業員のニーズから解離した内容となり、実りのない研修となりかねません。そうなれば、従業員としても余計に時間を取られることで不満を募らせる恐れがありますし、企業側としても費やしたコストが無駄になってしまいます。

レベルやゴールを設定することで何を目的とした研修なのか明確にする

研修をやりっぱなしにせず、きちんと効果を得ていくためには、研修の「目的」と「ゴール」を明確化しておくことが必要です。目的とゴールを設定していないと、研修を受ける側は何のためにやるのか、何を目指せばいいのかがわかりません。また、ゴール達成に向けて具体的に取り組む「目標」も設定する必要があります。
例えば、新入社員を対象とした研修であれば、「社会人としての基本的なスキルの習得」が目的となり、「電話応対や名刺交換、敬語の使い方、報連相といったビジネスマナーを学ぶ」、「同僚や取引先、顧客など社内外の人と良好な関係を築くためにコミュニケーションスキルを身に付ける」などが目標となります。そして、これらの目標がクリアできれば、研修のゴールが達成できたことになります。なお、1度の研修で達成が難しそうなゴールであれば、どの程度までの達成を目指すのかを現実に即して設定した方がよいでしょう。

研修の効果測定はきちんと設計しておくことが大切

研修の開催のスケジュールをはじめ、プログラムの内容、参加人数、講師、評価の方法など、研修の全体像を設計しておく必要があります。研修の実施方法も、講師が壇上に立って講義を行う方法だけでなく、受講者参加型のグループワークやロールプレイング、eラーニングなど選択肢はさまざまです。ゴールから逆算して最も効率的と考えられる方法を選びましょう。

評価基準が曖昧な状態で効果を適切に測定することは不可能ですから、評価の基準や方法は事前に決めておかなければなりません。先ほどの新入社員研修の例でいえば、新入社員が基本的なビジネスのスキルを習得できたかどうかを正しく測定するためには、本人の理解度を調べるだけでなく、上司や同僚、顧客など受講者以外の人にもアンケートを実施する必要があります。

測定したい能力の種類によっては、評価の基準を工夫する必要があるかもしれません。知識の定着度など定量的なものは効果を測定しやすいのに対し、意識や行動の変化、論理的思考や創造性といった能力の測定は抽象的になりがちであるため困難です。このような定性的な成果をどのような指標を持って測定するのかも検討しなければなりません。実際にパフォーマンスに結びつくまでには時間もかかるため、定期的に研修内容をリマインドしたり、業務への実践状況をチェックしたりすることも大切です。

研修評価のモデルとなるカークパトリックの4段階評価法とは

現在、多くの企業が研修の効果を測定する際に活用しているフレームワークに「カークパトリックの4段階評価法」というものがあります。これは、研修の達成度を4つのレベルに分けて判断するもので、レベルが上がるほど測定の難易度が高くなります。レベル1やレベル2であればアンケートなどですぐに測定できますが、レベル3やレベル4の達成度は研修から一定時間をかけないと見極めることができません。そのため定期的に受講者の意識や行動の変化を測っていく必要がありますが、その分、学びを実践の場で活かせたかどうかが判断できるという利点があります。以下では、レベルごとに詳しく見ていきましょう。

レベル1:Reaction(研修の意義理解・満足度)

レベル1のReactionは、受講者が研修内容に反応を示した段階をいいます。反応とは、受講者が研修の目的を理解して満足し、業務への意欲が促進された状態です。これらの達成度合の測定には、一般的に研修の直後にアンケートを実施する方法が用いられています。
4段階の中では一番下のレベルですが、研修の満足度は講師の力量に左右される部分も大きく、さらに受講者が研修の目的を把握できていない場合にはこのレベルに達せないことも考えられます。レベル1の達成のためには、研修の企画者や上司が受講者に研修の目的を理解させ、前向きに取り組めるようなマインドセットを持たせる工夫も必要です。

レベル2:Learning(研修内容の習得度)

レベル2のLearningは、研修で学んだ知識やスキルが身に付いた状態です。知識の定着度合の測定は、研修から数ヶ月をあけて理解度確認テストやレポートなどで行います。筆記テストでの判断が難しいスキルの習得度に関しては、実技テストで見極めます。近年では問題作成が可能なアンケートシステムなども登場してきており、習得度の測定は比較的容易に取り組めるようになっています。なお、研修ではできていたことが実際の業務ではできていないという場合、受講者が研修の目的を深く理解していないか、もしくは上司や先輩社員が研修で教えていることを実施していないことが原因かもしれません。

レベル3:Behavior(業務への活用・行動)

レベル3のBehaviorは、研修での学びを実際の行動に反映させ、業務に活用できている段階です。行動変容の評価は、本人が回答するアンケートや筆記テストだけでは判断が困難なため、上司や同僚、部下の協力を得て職場全体で測定する必要があります。時期は研修から1ヶ月〜半年後が目安です。他者評価以外では、数ヶ月後にフォローアップ研修を実施し、研修で学んだことをどのように職場で活かしているか、受講者本人に発表してもらう方法があります。

レベル4:Results(成果向上・業績アップへの貢献)

レベル4のResultは、研修で得た学びが企業の売上や利益、顧客満足度のアップに結びついている段階で、4段階の中で最も達成・評価が難しいものです。

営業職をはじめ、成果が数値化できる職種の場合は提案数や受注率である程度の判断ができますが、研修内容が直接結果に影響しているかどうかの判断は容易ではありません。個人の営業とはいえ、景気や市場の動向に後押しされることも考えられるためです。したがって、このレベルの達成度を測定するには、受講者本人からの自己評価も判断に加える必要があります。

こうした測定の難しさからレベル4の測定までは行わない企業もありますが、業績への影響を考慮に入れることは、ROI(費用対効果)の高い研修を実施する上でも重要です。

研修効果測定にはどんな方法がある?

ここからは、カークパトリックの4段階評価法を踏まえつつ、研修効果の測定方法を具体的に解説していきます。

筆記式のアンケート

筆記式のアンケートは、カークパトリックの4段階評価法でいうところのレベル1に当たる評価方法です。研修直後に行い、研修の満足度や品質を測ります。どのような設問を設定するかによってアンケートの回答が異なってくるため、研修の振り返りがしやすく、回答しやすい設問を検討することも大切です。
研修内容によっても変わってきますが、一般的なアンケートでは「普段の業務で役立ちそうな学びはありましたか」「講師の説明やテキストの内容はわかりやすいものでしたか」といった設問が並びます。満足度をスコアリングで評価してもらえば他の研修と比較することもできますし、回答結果から今後の改善点を探ることができるでしょう。

研修受講者へのインタビュー

カークパトリックの4段階評価法でレベル2に該当する測定方法が受講者へのインタビューです。研修を受けての感想を直接受講者に尋ね、受講前と比べて意識や行動に変化があったかどうかを確認します。ただし、素直な回答が聞き出せるとは限りません。上司や同僚、部下、あるいは取引先や顧客といった社外の人にも聞き取りを行うことで有効性が高まりますが、正確な評価を下すには時間と手間がかかることを理解しておきましょう。

業務中の行動観察

業務中の行動をさまざまな人の目線で評価してもらい、研修内容を実務に活かせているかどうか測定する方法です。これはカークパトリックの4段階評価法でいうところのレベル3に当たります。受講者の上司や同僚、部下には研修の実施前にチェック項目を記載したアンケートを配布し、それに沿った評価を行ってもらいます。研修後、一定の期間をおいて再度アンケートを実施すれば、行動の変化を見ることが可能です。職場の人を巻き込むことで、研修を受けた本人が周囲に相談しやすい環境を作る際にも役立つでしょう。また、実情を正しく把握するためにも、アンケートへの記入は受講者本人がいないところで行ってもらうか、インターネットでのアンケートを実施するといった配慮も必要です。

習得度を判定するテスト

ビジネスマナーなどの知識や各種スキルの理解度や習得度を計測するのであれば、eラーニングを活用して理解度テストを実施する手段もあります。カークパトリックの4段階評価法でいうところのレベル2に当たりますが、受講者インタビューとは違い、客観的な目線で定量的に習得度を評価できるのが特徴です。

研修内容の理解度テストは、研修担当者が研修の精度を把握するだけでなく、受講者本人がどこまで理解できているかを知るためにも有効です。研修の直後は正解率が高く出る傾向にあるため、定着率を測るためには2ヶ月や3ヶ月程度の期間をおいてからの実施が望ましいでしょう。なお、研修には全社共通のものから、職種や部署別のものまであるため、それらに柔軟に対応できるテストを活用することが大切です。

研修の効果測定もオリジナルで作成できる「ラクテス」

最後に、研修後のスキルチェックが行えるテストツール「ラクテス」をご紹介します。ラクテスは月間受験者数30人までであれば月額料金が無料で使えるため、気軽に試すことが可能です。以下では、ラクテスの特徴を詳しく解説していきます。

複数のテンプレート

ラクテスでは、テンプレートを活用して簡単にテスト問題を作成することができます。WordPressの基礎知識を問うテストや、敬語の使い方・NG文章の見極めといったライティングスキルのテスト、SEO対策の理解度を可視化できるテストなど、活用シーンもさまざまです。

オリジナルの設問が可能

問題形式は「選択問題」「複数選択問題」「記述問題」から選択ができ、ファイルを添付して画像による出題を行うことも可能です。最大設問数は150問まで、それぞれの問題に割り振る点数も自由に設定できます。

URLの発行で自宅からでも簡単に受験可能

テスト問題にアクセスできるURLを発行する形式なので、自宅でも受験が可能です。採点作業や採点結果の送付もインターネット上で行えるため、時間や場所を選ばず、受験者の都合に合わせてテストを受けることができます。

まとめ

研修後の効果測定を行う方法には、筆記式のアンケートや受講者へのヒアリング、上司や同僚による行動観察、理解度テストなど、いくつか種類があります。理解度テストを作成するなら、今回ご紹介した「ラクテス」をはじめ、テスト作成ツールを使用するのがおすすめです。意欲や行動の変化など、数値化しにくい効果を測定するには時間と手間が必要ですが、本人だけでなく職場全体で取り組むことで、実りの多い研修を実現させましょう。

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