日本企業でのジョブ型雇用の実態について調査するため、ラクテスは200社を対象にアンケート調査を実施しました。調査の結果から、ジョブ型雇用を実施する企業の割合や、導入までにかかった期間、ジョブ型雇用での採用者数の変化について明らかになりました。また、ジョブ型雇用を導入した（導入しない）理由や、ジョブ型雇用で得られる従業員側のメリットについての回答もご紹介します。ジョブ型雇用導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。
調査概要
調査対象：企業人事担当者 200名
調査実施期間：2022年9月14日～9月16日
調査協力機関：株式会社クロス・マーケティング
調査方法：インターネット調査
目次
ジョブ型雇用とは
ジョブ型雇用とは、業務内容や勤務地、勤務時間、報酬などについてジョブスクリプション（職務記述書）に定め、それに応じたスキルや経験を持つ人材を雇用するシステムです。「高い専門性を持つ人材を採用したい」「人材の多様性を確保したい」と考える企業のニーズに対応するため、ジョブ型の雇用形態が増加しています。
ジョブ型雇用の実施状況
以下に、ジョブ型雇用の実施状況についてのアンケート結果を示します。
ジョブ型雇用を実施する企業の割合
ジョブ型雇用を「現在実施している」と回答した企業は36%、「過去に実施していた」企業は5.5%、「導入を検討中」の企業が約23%でした。「実施していないし、導入も検討していない」と答えた企業は36%でした。
導入までにかかる期間
ジョブ型雇用を実施するに至るまでに、どのくらいの期間がかかったかという質問を行ったところ、「6ヶ月以上1年未満」が約39%と最も多く、次いで「1年以上3年未満」が約38%となりました。導入までに1年以上かかっている企業が4割以上あることから、ジョブ型雇用を導入・運用するまでに多くの障壁があると予想されます。
導入後の運用状況
実際のところ、ジョブ型雇用を実施している企業では運用はされているのでしょうか。
ジョブ型雇用の実績がある企業のうち、「ある程度運用されている」「かなり運用されている」と答えた企業は合計約8割にも上りました。
ジョブ型雇用での採用者数の増減
ジョブ型雇用での採用者が2020年からの1年間でどう変化したかを調べたところ、「増えた」と答えた企業が約18%、「前年並み」と答えた企業が36%、「減った」と答えた企業が4%でした。2021年にジョブ型採用を実施していた企業では、前年よりジョブ型の採用者数が同程度もしくは増加している会社が多いことが分かりました。
ジョブ型雇用を導入する理由・しない理由
ジョブ型雇用を導入する（した）理由と、導入しない理由についても調査しました。
ジョブ型雇用を導入する理由（複数回答）
ジョブ型雇用を導入する（した）理由として多かったのは、「専門職、専門業種の人手不足を解消するため」「能力や成果とのギャップを無くすため」というものでした。
ジョブ型雇用を導入しない理由（複数回答）
ジョブ型雇用を導入しない理由として最も多かったのが「導入のノウハウや知識がない」という回答でした。その他、「人事制度の変更にコストがかかる」と回答した企業も多くありました。
ジョブ型雇用導入で社員が得るメリット
ジョブ型雇用を導入することで、企業にとってメリットがあることはもちろん、従業員にとっても様々なメリットがあります。以下に、採用担当者が考える「従業員にとってのジョブ型雇用のメリット」を紹介します。
今回の調査から、8割以上の企業が「ジョブ型雇用を導入することで、従業員側にもメリットがある」と感じていることが分かりました。
参考
回答した企業の業種内訳
製造業、サービス業、情報通信業、小売業など幅広い業種の企業200社を対象に、企業の人事採用の方針についてアンケート調査を行いました。
アンケートにご回答いただいた200社の業種の内訳は以下の通りです。
回答企業の採用状況
この調査から導ける結論
ジョブ型雇用の実績がある、もしくは実施を検討している企業は、全体の6割にも上りました。ジョブ型雇用を実施している企業の8割は運用を進められています。ジョブ型雇用の導入では、人手不足の解消や能力と待遇のギャップの最小化のメリットが期待されています。
一方で、全体の2割近くの企業が「ジョブ型雇用を実施しておらず、今後もその予定がない」と回答しました。
ジョブ型雇用を導入しない（検討しない）理由としては、導入コスト面の問題があること、導入のためのノウハウが不足していることがその要因であることが分かりました。
ジョブ型雇用の導入コストをなるべく少なくしたいとお考えの方、または、ジョブ型雇用導入のための知識やノウハウがないとお悩みの方は、無料でジョブ型雇用の採用試験問題を作成できるサービス「ラクテス」を試してみてはいかがでしょうか。
以下の記事ではジョブ型雇用について詳しく説明しています。
ジョブ型雇用とは? メリット・デメリットや失敗しないためのコツを解説
ジョブ型雇用のためのジョブディスクリプション（職務記述書）の作成方法については下記の記事を参考にしてください。